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□君が来るまで
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真っ暗な空の下。
今日は非番だったけど、俺の場合、非番なようで非番じゃないから、どうせまたデートはお預けなんだと思ってた。だのに土方さんからの呼び出しもなく、待ち合わせの時間通りに来れたのに、今日は彼女が捕まってしまったみたいだ。
いつもの待ち合わせ場所、はく息は白くて、街灯は少ない。
いつ来るかわからない俺をいっつもここで待っててくれたんだな。
屯所ではろくに喋れやしないから、なかなか出来ない2人の時間は大事にしたい。
もっと君のこと知りたいし、知ってもらいたい。
まだ手も握れない俺のこと、嫌いになっちゃうかな?
今日、君が来たら真っ先にてを握ろう。そして、2人で屯所を出ない?って言ってみよう。…なんて、やっぱりそれはまだ早いかな。
でも待ち合わせ場所、変えよう。それがいい。
みんなに内緒ややめようかって、待ち合わせなんてしないで、俺が部屋まで迎えに行くよ
って、言ってみよう。
近づいてくる足音、早くなる俺の心臓。冷たい手も、鼻も頬っぺたも、君の顔みたらきっとあったかくなるよ。
『ーーッ山崎さん、ごめんね、待たせちゃった』
君が来るまでこんなこと、考えてたんだ。