08/11の日記

23:09
カウンタ20万ありがとうございま…したっ!
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半年くらい前に20万いっちゃってたかもしれません…お久しぶりですナツです!すっかりROM専主婦しておりましたヽ(;▽;)ノ

というか今も特にオタク活動してないんですが、こんなに何もしてない私の文をまだ好きだと言ってくださる方のリクエストでしたのでちょっとPCに向かってみました…イズアベの日でしたし…20万でしたし…ブランクあからさまな拙い文ですが、この下に置きました。良かったらどうぞ〜!

お題を消化出来なかったので、また置きにくるかも知れません。
休止なのか休止してないのかわからないサイトですが、また思い出した時にでも覗いてやってください♡

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22:54
イズアベの日でしたね
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お題:髪を乾かすイズアベ
捏造半端ない二年生。



室温が設定温度を超えたのか、エアコンのランプが点って運転の再開を知らせる。室外機の唸る音は、耳元に直接吹きかけられる熱風のせいで聞こえなかった。
冷えていく爪先と熱いくらいの頭。
その頭皮をかき回す指先は、ありえないくらいに優しい。


甘髪


三橋が風邪をひいた。
二日前から鼻喉にきていてマスクの下もぐずぐずだったのが、今朝になって発熱したらしい。見舞いがてら父兄へのお知らせや今日配られたプリントなんかを持って三橋の家へ行った帰り道で突然のスコール。
個人商店の軒先で雨宿りをしていたら、同じく雨に降られたびしょ濡れの阿部が通りかかりバッチリ目があったという偶然。
いや、絶対偶然なんかじゃねーけど。
部活帰りに阿部や田島も見舞いに行きたがったのを、大人数で行くのは遠慮しようぜって止めたのは俺だ。
昔はともかく、今は万一でも阿部と田島に風邪を移されたくない……というのは悔しいから絶対に口にしたくない建前だったけど、ハッキリ言わなくても全員が察してくれて納得したはずだった。なのにこいつは。
目が合って、ギッと睨んだ俺から目線を泳がせた時点で黒判定。
こっそり三橋の見舞いに行こうとしてたのは見え見えなんだよコンチクショウ。
三十分程で雨は止んで、俺ン家より近い阿部の家に身を寄せた。
シャワーを借りて、タオルでがしがし髪を拭きながら予め教えられていた通りに二階に上がって阿部の部屋のドアを開けると、そこにはベッドに腰掛けドライヤー片手に待ち構えていた阿部がいて。
「…………は?」
「ん?」
あたりまえみたいな顔をして、膝をポンポンと叩く。
え? 呼んでんの? その膝の間に座れっつってんの? まじで? つか、なんでじわじわ「はやくしろ」って顔になってってんだよ戸惑う方が変なのかよ!?
俺の内心の葛藤は顔に出ていた筈だ表情筋はやらかい方だ。しかし阿部も譲らない。
チッ……
舌打ちひとつで先に折れたのは俺だった。
板張りに腰を下ろし、ベッドに背を預ける。すぐ頭上でドライヤーのモーター音。
「電話」
「あ?」
「帰るの遅くなるって家に連絡すんだろ?」
「この音じゃ相手の声きこえねーし」
「メールは?」
「する」
なるほど、メールするのに両手使うから乾かしてやろうって発想か。いや単純にこの方が早く乾くってだけかも阿部だし。にしたって……
『雨に降られたから帰り遅くなる』と一言だけ母親へメールして、後ろを振り向く。
「サンキュ、あとは自分でする」
「いーよ、こっちの方がはえーし」
やっぱりか。
ドライヤーを細かく左右に振りながら、もう片方の手で髪を混ぜ、撫でつけていく。
「……弟とかにもやってんの?」
「は? しねーよ。風呂が同時になる事もあんまねーし」
声から『なに言ってんの?』って態度がありありと感じられてマジムカツク。
普段からやってねーんなら今のコレは何なんだよ何扱いだよ。ちょっと期待しちまうだろ馬鹿。
阿部に背を向け、俯いていて本当に良かったと思った。繰り返すが表情筋はやらかい方だ。

阿部を意識したのは割と最初からで、そりゃ野球上手いやつを意識するのは当然だとして、個人的に明らかなマイナス感情が芽生えたのは田島や三橋と仲良くなってからだ。
同じクラスで毎日顔を合わせる相手に特に仲間意識を強く持ってしまうのは仕方ないし、その仲間が一見して馬鹿扱いされてるように感じると腹も立つ。
野球の実力を認めると同時に、ちょっと偉そうなイヤなやつっていう認識だった。一年前は。
それが紆余曲折、モモカンの作戦が功を奏して、阿部が本当に三橋のこと認めて信頼しているのが誰の目にも明らかになって。
不満が取り除かれて満足なはずなのに、阿部に苛つく理由もなくなったはずだったのに。
グラウンドの外、笑顔で会話する二人を見て、胸を占めたのは意味のわからない焦燥感。
友達を取られた淋しさだと理由付けするには生々しい感情の正体は、ある朝自覚やむなしという状態に陥った。……ほらあの……生理的なあれで……
俺は阿部が好きで三橋に嫉妬したんだと、認めたその日は三橋の顔がまともに見れなくて挙動不審になったのを覚えてる。今はもう慣れたけど。
高校3年間は告げるつもりのない恋心を宥め賺して、それでも見舞いに阿部を連れて行きたくなかった本音は自分の妬心で……そんな揺れる男心を弄ぶような真似してんじゃねーよ言いがかりだって分かってるけどな!
「泉さ」
「ん?」
「入部した頃、髪短かったよな」
「……中学ん頃坊主で、伸ばしかけだったんだよ」
これも半分は嘘。背格好が似てる阿部を意識して差別化を図ったっていうのもある。
「ふーん……オレも伸ばしたらこんなんなるかな」
想像して、吹き出した。
「……そんな笑うことかよ」
「わ、わりィ……プッ……ブフッ」
「桐青の高瀬みたいになんねーかと思ったんだけど」
「共通点タレ目だけじゃねーか! いや意外に似合うかもしんねーけど!」
くえない性格も共通点だと思ったことは黙っておく。そんな気を許せる会話が出来るような関係じゃない。
ようやく笑いの発作が収まった頃、前髪を乾かし終わった阿部が痛くない強さで前髪を引っ張った。真上から覗き込む阿部を見上げる形になる。
「泉ってさ、結構考えてっこと顔に出るよな」
心臓が跳ねる。首から上にじわじわ熱が上がっていくのを感じて焦った。
何が顔に出てたって? もしかしてバレてた? いつから?
逃げ場がない状況で固まった俺を見下ろす阿部は、いつもの真顔のままで、
「気持ち良かっただろ? ドライヤー」
そう自信ありげに言うと、ニッと笑ってみせた。
「……あー…」
一気に脱力する。
なんなんだよコイツまじなんなのムカツク。
クックッと笑ってる阿部の隙をついて、振り返りざまスイッチの入ってないドライヤーを奪う。素早くベッドに乗り上げ、まだ髪が生乾きの阿部の背後を取った。
「阿部も気持ちくしてやる」
「オレはいーよ! 他人に髪触られるの苦手で……」
ニィと笑った俺の顔に、今度は阿部が固まる。
「遠慮すんなって」
「やだっつってんだろ!」
「慣れたら気持ちぃかもよ?」
「慣れる必要ねーし! ってか、なに怒ってんだよいず…」
「怒ってねーよ。こっそり三橋ン家行こうとしたことなんか何とも思ってねーし」
「怒ってんじゃねーかよ!」
ドライヤーから逃げようとする体を、最終的には背中に乗り上げることで押さえ込んで阿部の髪を乾かす。
半分布団に埋まった顔が子供みたいな膨れっ面で、顔がにやけるのを止められなかった。



ちょっと距離が縮まりました。



甘やかさせる(?)っていう方のお題が消化出来なかったから続けたい(未定)

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