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□はじまり*
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『ね,あなただあれ??』
暗闇にとつぜん降って来た声。
恐る恐る目を開けてみると,明るい日差しのなか,こちらを見ながらコロコロと笑っている小さな少女が1人。
白く小さな体にぴったりの,フリルがたくさんついた真っ赤なドレスを着ている。
『あ…おはよう。』
とりあえず声をかけてみた。
しかしその言葉を聞いた瞬間,少女の大きな瞳がいっぱいに見開かれ,そのまま硬直してしまった。
(あれ,なにかおかしなことでも言ってしまったのかな…。)
しかし,特に普通のあいさつ。では,いったいどうしたというのだろう??
少しの時間が過ぎたころ,少女は震える口を動かし,小さく言葉を発した。
『ど…どうして喋れるの…??』
さて,どう答えたらいいのだろう。