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□はじまり*
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なぜ,この少女は震えながらこっちを見ているのだろう??
ただあいさつをしただけ。それに,お互い今すわっている場所から1ミリも動いていないというのに。

しかし,答えを導き出す前に少女がまた,小さく震えた言葉たちを紡いだ。


『ねえ,言葉が喋れるんだったら,歌も歌えるはずでしょ…。』


その言葉を聞き,だんだんと広がってゆく思考の海。
(もしや,誰と一緒に歌を歌いたかったとか…??)
少女がそれ以上の言葉を紡ぐのをやめたようだったので,ためしに少女に,さきほど考えついたことを言ってみた。

そして,この考えは当たっていたらしい。
言葉を聞いた少女の白い頬に赤みがさし,目が幸せそうに細められた。


少女とすこし話をしてみることにする。
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