騎士×皇子
□『末皇子ルルーシュ』
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そこへ、もう一人の兄クロヴィスがやって来た。
「まったく兄上は、ルルーシュには甘くていらっしゃる」
「クロ兄様!」
「いいじゃないか、可愛い弟だ。それにルルーシュは国を継ぐわけじゃない。自由にさせてやりたいんだよ、本音はね」
シュナイゼルが苦笑気味に弁明すると、クロヴィスは、わざとらしく肩を竦める。
「私も人の事は言えませんがね。ルルーシュ、教授がカンカンになって探していたぞ。隠れるなら、後宮の方へは行かない方がいい」
「ええ! どうしよう、クロ兄様ぁ」
ルルーシュは小さな手で、クロヴィスの服をギュッと掴む。怒ると怖い教授の雷を想像しているのか、顔色は真っ青だ。
「そんなに怖いなら、さぼらなければいいんだが…。まったく、お前は――」
「ルルーシュ様!」
けれど時既に遅く、怒りで顔を真っ赤にした教授がズカズカと現れた。
「きゃっ、教授!」
咄嗟に逃げようとしたルルーシュは、首根っこをヒョイと掴まれる。
「逃がしませんぞ、覚悟は出来ておりましょうな」
「わーん、ごめんなさい。だって、教授の授業つまんないんだもん!」
「なんですと!?」
大騒ぎで去っていく二人を見送って、兄達は苦笑し合った。