十六夜の舞踏

□第二王子の英雄譚
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※公式の何物とも無関係。故に独自解釈&俺設定てんこ盛り

※男性ユニットしか出ませんので悪しからず




第一王子は女性ばかり連れて落ち延びた
いや、確かにこの世界の女性は(物理的に)強いが、男はいらんとばかりに殿に置いてさっさと逃げたのは王族として如何なものか
そんな扱いをされたのに命尽きるまで戦う気だった兵たちを何とか連れ出して、けれど第一王子と合流はできない。欲にまみれた目をしたあの男は、自分のハーレムを壊されるなど許さないだろう
よしんば受け入れたとしても、女を囲い男に危険な役目を押し付け、貴重な兵を徒に使い潰すに違いなかった

「第一王子は王都奪還に動くと思うか?あれはろくに兵法など学んでおらん筈だが」

「それは、その…」

「いや、失言だったな。何せ女神の加護を受けた英雄であらせられるのだから敗戦などあり得ぬか。何より私やお前たちは既に死んだとお考えだろうから、立つ以外に道はなかろう」

ならば、どうする

「我らは我らで民を守るため戦うべきであろうな」

王都はあちらに任せればいい
昔から周りをろくに見ない第一王子が見過ごしたり取り零したりした者をこそ救うのが、第二王子の役目だった

「…あー、もういい。取り繕うのは止めだ。あのクソ王子め我らを守ってくれた皆を何だと思ってやがる」

「お、王子、それはちょっと」

「何だヘクター。こんな所で吐いた悪態を奴が察知できるものか。
そもそも奴は"第一王子"だが"王太子"ではないんだぞ。それをまぁ王太子どころか王の如く振る舞い享楽に耽って、今回真っ先に逃げ出しやがった。女だけ連れて、未だ戦う皆を一顧だにせずにだ!
ふざけんな逃げるにしても逃亡じゃなくて撤退にすべきだろうがあの無能め!」

「僕にそんな事言われても…」

「あれ、王子が荒ぶってる」

王族らしいオーラを纏っていた第二王子が、一転ただの青年になってグチグチと文句を垂れ流す
十数年来の不平不満と此度の醜態。寧ろ今までよく兄の廃嫡に動かなかったと驚かれるくらいには鬱憤が溜まっていたのだ
王太子は次代の王。だが王子はただ王の子であるというだけである
それを王族としての教育を投げ出した上に我儘放題、挙げ句女性を追い掛けてばかりいたのだから度しがたかった
主の怒りに付き従っていた兵は狼狽えるが第二王子の腹の虫は収まらない
そこに掛けられた軽い声は、それでも理不尽な怒りを向けられる事はないと知っているからこその気軽さだった
窓から顔を覗かせた茶髪の青年は、声と同様軽やかに室内に入ってきた。無作法を兵が咎めようにも、にこやかな表情に反して欠片たりとも笑っていない目に口を閉じる

「はぁ…ご苦労さんアルス。周囲の状況は」

「まぁ大丈夫じゃないかな。っていうかいくらケイティ教官達がいるっていっても、あの第一王子なら派手に追っ手の目を引いてくれるだろうね」

「…なぁ、それってまずいんじゃ」

「自分たちでどうにかするでしょ。それよりも問題なのはまず僕ら。違う?」

「そうだな。負傷者も多いし此方に敵が来ないとは限らない。早急に態勢を立て直すぞ」

そう言って立ち上がる第二王子こそ怪我をしているというのに、本人にそれを気にした素振りは無い
この程度で臥せっている暇も、突然の悲劇に立ち止まる暇もどこにもなかった
第二王子にあるのは心配そうに自分を窺う二人をはじめとした部下達の命を負う責任で、それを守る為にはまず行動しなければならないのだ

「きっとこっちが全年齢版で向こうがRの方なんだろうが、寧ろ望む所だな」

「あーる?」

「何でもないさ」



――――――


そんなこんなで男所帯
ストーリークエストとかどうなる事やら
※なお第二王子も当然英雄の血を引いているし、一応女神の加護はある模様
神殿は確保していないので召喚はできない

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