ネタつめつめ

SSにもなれない程度のネタをひたすら投下していくだけの場所です
ハッピーエンド主義者の癖に鬱もあり

○が夢主・成り主の視点
●がそれ以外の視点

!!夢も成り代わりもごった煮なので要注意!!


.

◆とはいえ呑気でいられる部外者なので@自称平凡 

宝探しの期間でもないのにアカデミー生がジムに挑戦してきたと聞いて、珍しいと思いつつ相手をしてやったらあっさりとバッジを掻っ攫ってくれた上に生意気にもどこか拍子抜けしたような顔をされた
…という話をハッサクにしてみれば、その生徒の名前を聞いたハッサクが珍しくも顔を引き攣らせたのでコルサは首を捻った
教師として子供の成長を喜べるハッサクにしてはらしくない反応であるが、もしかして件の生徒は問題児なのだろうか。特に態度が悪い訳でも無く"普通"の子供だったと思うのだが
「…ペパー君は、元々それほどバトルが得意ではなかった筈なのですよ…」
「なに?だがハッさん。奴は荒削りではあったもののよく鍛えられたポケモンを連れていたぞ?いや得意ではないから初めてのジム戦の前に念入りに鍛えすぎたのか…?それにしては指示の出し方も堂に入ったものだったが…」
「……色々ありまして、今彼は半ばアオキに師事しているような状況なのです。ですがまだ半年も経っていないというのに…」
「…あの男はいくつ肩書きを持つつもりなのだ。というかよくそんな時間があるな」
「要所要所でアドバイスするだけでほぼ放置しているようなものとは言っていましたが、特訓相手がトレーナー無しとはいえ曲がりなりにも四天王のポケモンですからね。それと比べればいくら何でもジム戦用に調整された相手では拍子抜けもしますですよ…」
それはそうだ。特にコルサのジムは初心者向けの難易度に設定されているので、ジムリーダーの皮を被った四天王の手持ちを想定される方が間違っている
ハッサクが複雑そうなのは、バトルが得意ではないという子供を短期間でいったいどう鍛えたのかというところだろう。アオキは他人に無理を強いる男ではないが、自身を平凡と言い張るだけあって自分にできることは他人にも当然できると思っている節があるので油断はできない
さて、なかなか将来有望そうな件の生徒がチャンプルジムに辿り着くのはいつになるだろうか

2024/05/18(Sat) 12:42 

◆大きな存在感と呑気な当人@自称平凡 

なんか今日はアオキさん家のポケモン達が嬉しそうだなと思ってたら珍しく朝も遅いのにアオキがいて、久々にお休みを貰えたから皆でピクニックに行くのだと言われた
…折角来たのに残念だけどと退散しようとしたら普通に気分転換にペパーも来るかと言われて、あんまりびっくりしたからうっかりそれに頷いてしまった。アオキが多忙すぎてまだあまり為人も分かっていないが、人付き合いに積極的ではない雰囲気があるからまさか誘われるとは思ってもみなかったのだ
行き先がオージャの湖の西側にある島だったのには驚いたしポケモンに乗って『そらをとぶ』したのは初めてでうっかりはしゃいでしまったが、アオキは諸々気にしていないのでペパーも気にしないことにした
この辺りに生息するポケモン達はレベルが高く、まだペパーには荷が重い。アオキのポケモンに囲まれている状態とはいえあまり気を抜きすぎるのもよくないだろう
「…と思ったんだけどな…」
「 ? …どうしました?」
「いや…その、アオキさんここよく来んのかなーって」
「はぁ、そう頻繁ではありませんがそれなりに。一応周囲のポケモン達とは顔見知りです」
へーそっかぁ…と頷いたペパーの視線の先には妙に"お行儀の良い"野生のポケモン達の姿
ここにアオキ達が到着するやいなや波が引くように場所を空けたかと思ったら、それぞれの群れの代表っぽいのだけが挨拶するように――というかマジで挨拶しに寄ってきては去っていくという光景を見せられた時には何事かと思ったのだが
(多分これ、強い奴が来たから敵意がないのを示すために顔見せしに来た感じなんだろうなぁ…アオキさんも分かってんのかなんかおやつ渡して送り返してるし…)
前にアオキはヌシに嫌われてるとか何とか言っていたが、もしかして嫌われてるのではなくて強者の気配に全力で警戒されているだけなのではないだろうか

2024/05/11(Sat) 16:12 

◆掴んだその手はひどく大きく@自称平凡 

事前に断られた通り、アオキは本当に毎日忙しそうであまり顔を合わせることがない。結構な頻度でアオキの家に押し掛けているペパーだが、流石に赤の他人の家に泊まるほど図々しくはないしアオキからもあまり遅くまでいないよう注意されているため余計である
けれど気に掛けられていない訳ではないらしく、たまにちょっとしたおやつだったり育成のポイントだったりのメモをアオキのポケモンから受け取ることがあった
…そこに然り気無くペパーの体調を案ずる言葉があることに、ペパーはいつもむず痒いような気持ちになるのだが
未熟な子供ではなく一人の人間として扱ってくれはしても、同時に未成年として当たり前のように守り多少なりとも甘やかされているらしい感覚はどうしても慣れない
そういう気遣いであったりペパーがアオキの家に来ていることをいつの間にかアカデミーに伝えていたりと、直接の交流はあまりないのにロクに顔も見せない父より余程保護者然としているというか、どれほど無愛想に見えても成程先生方が揃って褒めるくらいにはアオキは"ちゃんとした大人"だった
アオキ的には「他人のお子さんを預かる…いえ預かってはいませんが自分のテリトリーでの活動を許しているのですからそのくらいは『普通』かと思いますよ」とのことだが、例えそれが『普通』であっても誰もが『当たり前』にできることではないだろうとペパーは思う
それを『普通』と言ってしまえる人の翼下に入れてもらえているこの現状は、頼りたい人にも頼れなかったペパーの肩の力を少しだけ抜いてくれた
「アオキさんはノーマルタイプを使うからって、安易にかくとうタイプ入れても対策してるに決まってるよな…。そもそもヌシを倒せるようになるのが目標なんだからアオキさんの対策ばっかしてても駄目だろうし、やっぱもっと地力を上げねぇと。あとヌシの所まで辿り着かなきゃなんねぇんだから移動する時に助けてもらえるような手持ちを…あ゛ー考えること多過ぎちゃんかよ!!」
「ふぃーるー?」
「いやおかわりは大丈夫だぜイエッサ、えっアオキさんのメモ?
…ライドポケモンに迷っている場合は皆と交渉して足になってもらえ?いやトレーナーとしていいのかよそれ…」
「ゆっ!」
「あっいいのな…そっか、アオキさんとこのポケモンは皆しっかりちゃんだもんな…」

2024/05/05(Sun) 09:59 

◆どうしてもその手を掴みたかった@自称平凡 

「自分はどうもヌシには嫌われているようで…ええ、これでもこのパルデアで色々な所に足を運んだことがあるのですが、居る筈の所へ行っても全く姿が見えないんですよね。そうなるとスパイスの方を探すのも無理筋です。ヌシ以前に運命に嫌われているので仕方がないとは思うのですが…。
ですので、この与太話を信じてスパイスを探しに行くというのであれば貴方自身に行ってもらう他ありません。そうなるとその…失礼ですが貴方の実力に少々不安がありまして。自分の立場上、子供に怪しい噂を吹き込んで危険な場所に向かわせて怪我をさせたなど言語道断です。まずハッサクさんにぶん殴られますし、そんな事になったら余裕で死にますし…。
ええ、ええ。ですから、せめて"ジムリーダーとしての"自分に勝てないようでは探索を許すことはできません。それが最低条件です。ソロでヌシを殴り飛ばせるだけの実力がなければ死にに行くようなものですよ。そうなったら貴方の相棒がどうなるか、分からないとは言わせません。死なないまも大怪我を負ってしまえば、きっとひどく気に病みます。家族同然の子にそんな思いをさせるのは…はい。分かってくださるのなら良かったです。
これでも忙しい身ですので自分自身がずっと修行に付き合うのは難しいですが、うちの子は強いですから鍛えてもらうといいでしょう。はい。留守番してくれる子もいるので、いつでもいらしてくださって結構です。家の中は…ええと、リビングで休憩したりキッチンを利用するくらいであれば、まぁ構いません。不必要に荒らすような真似をすればうちの子が叩き出しますので…。ああ、庭のバトルフィールドは別ですよ。そもそもうちの子からしてしょっちゅうボコボコにしますし整地も慣れているのでお気になさらず。
…話を纏めますと、スパイスの手掛かりであるヌシについての情報と修行の場所と修行相手は提供します。死ぬ気で強くなって、自力で本当に在るかどうかも分からないスパイスを、しかも五つも探し出してくださいと言っているのですが…あの、本当にやる気ですか…?」
愛想笑いのひとつもなく淡々と宣う男に怯みそうになるが、そんな自分を気合いで抑えつけてペパーは強く頷いた
言外に正気かお前と言われているも同然の言葉は馬鹿にする意図がある訳ではなく、教えてくれた情報の信憑性もペパーの実力も足りないからだろう
…こんな調子でもアオキはアオキなりにペパーの言葉にちゃんと向き合ってくれているのだ。全体的に無愛想だが、ペパーのことを過剰に子供扱いして煙に巻いているのではないし、有名な博士の息子として特別扱いもしていない
雲を掴むような話だと忠告されているにも関わらず、この気乗りしなさそうに―――けれどきっとほとんど泣き落としの様相を呈していたペパーを突き放せずに差し出された手が、ペパーには決して逃してはいけない希望のように思えた

2024/05/03(Fri) 17:38 

◆たとえ何もならないとしても@自称平凡 

前略。何とかアオキの冗談だったということで押し切ることができた(押し切れたとは言っていない)
これはもうそのうちやって来るだろうどこぞの転校生がパルデア全土を走り回って、杭を抜きまくった挙げ句四災をゲットすることを期待するしかない
…そんなどうしようもない話はもういいとして、だ
「少しでもいいんだ!どんな小さな手掛かりでも…お願いします!!」
どう話が転がればSVのヒロイン()と名高いペパーに勢いよく頭を下げられることになるんだろう、とアオキは遠い目をした
…彼の相棒が大怪我をしてしまった一件について、職務上知ってはいたのだ
というかしれっと大穴への侵入者(と、大穴から出てきてしまったポケモン)への対処も業務の一つで、彼が脱出の際にタクシーに助けを求めた関係で巡り巡ってアオキにも話がきていた…どころか実はタクシーが大穴に突入する際影ながら補助していたのはアオキであるので
なおペパーの侵入自体に気付けなかったのは、通常侵入者に対して反応する筈のアラートが博士の息子である彼をスルーしたからである。そういった設定はゼロラボ側が管理していた筈で…息子のこと放置していたくせに博士ェ…
まぁその辺の事情など多分ペパーは知らないだろう。それでどうして彼がこんなことをしているかというと、どうもジニアとレホールがアオキの知識を褒めていた→ついでにそこに通り掛かったハッサクも小言ついでに褒め言葉を口にしていた→そんなに凄いのなら相棒を治すための手掛かりについて何か知見を得られるんじゃ…とのことらしい
なぁ主人公。ポケモンの為にこんなに必死になってる子供を突き放すのはキッッッツいんだが転校してくるの一週間後くらいにできないのか主人公。今までの経験からすると自分がどうしようが君が転校してくるまで彼の相棒はどうにもならないんだけどな主人公
…アオキは、ごく平凡な人間だ
運命はアオキに微笑まない。知識はあっても特別な何かにはなれないし、世界を変える力なんて持っている筈もなく
でも、そんな理由で縋り付く手を振り払えるのなら―――アオキはきっと、とうの昔に飛び立った空から真っ逆さまに堕ちていたのだ
「………。眉唾物の与太話でよければ、できますが」
バッ!と勢いよく上げられた顔がほとんど泣きそうで、アオキはそっと溜息を呑み込んだ

2024/04/30(Tue) 14:47 

◆もし微妙な愛され転生主に引っ掛かってたら3@何も知らん 

「なぁ、噂の広まり方ヤバない?」
「そっすか?こんなもんちゃいます?」
「いやぁ、俺は聞かれた事に答えてただけなんで何とも」
「知り合いにちゃんとアイツには近付かない方がいいって二万回教えました!」
「そもそもあんだけ騒ぎになって噂にならん方が無理やん」
「も〜〜〜!!この子らはほんまも〜〜〜!!
イコさんは大丈夫やて言うたやん。あんまやり過ぎると上層部の人らに怒られそうやし程々にしとき」
「言うとくけど、医務室で経過観察が必要になる状態は何も大丈夫とちゃうねんで!」
「怒られるような事した覚えないんで問題は無いっすね。イコさんは何も心配せんでええんですよ」
「めっちゃ企んどる顔でよぉ言うわ。ほな落ち着くまでイコさんとお話してよな。何なら皆お夕飯食べにおいでや」
「やったー!イコさんのメシ食べたいっす!」
「ええですねぇ、折角やしちょっとええもん食べましょ」
「アンタ一応病み上がりやろ…ま、まぁ行くけど」
「…ほんなら、買い出し必要なんとちゃいます?必要なもん教えてもろたら買いに行きますんでせめて材料費は出させてくださいよ」
「んー…せやな。今回は甘えとくわ。でも買い物は一緒に行こうな」
「はい。…イコさん、あの、」
「ちゃんとあの子よりお前らの方が大事やから安心してな」
「……はい」
「あはは、結局甘やかされとんのは俺らの方ですねぇ」
「いつも通りなんで問題ないっすね!」

2024/04/28(Sun) 18:54 

◆もし微妙な愛され転生主に引っ掛かってたら2@何も知らん 

「無事か生駒ァ!!」
「ん、へーきや。死ななきゃ安いやろ」
「それ駄目なやつじゃないか?」
「落ち着けよ弓場。見ての通り一応大丈夫みたいだし。
…いや、それにしても皆あの魅了に引っ掛かってたのに精神力の強さだけで半分くらいレジストしてたってヤバいな…」
「生駒っちの様子がおかしいからって怒りと殺意で魅了を弾き飛ばした水上もヤバいけどね。そのお陰で他の奴の魅了も吹っ飛ぶとか…ほんとごめん生駒っち。こんな大事になるのに読み逃してた」
「迅のせいやないし、こんなんしゃーないやん。何やねん魅了のSEて。一目見ただけの子ぉ誰よりも可愛いて思うた俺の思考回路が気持ち悪ぅてアカンかったわ」
「それに違和感を覚えた生駒と水上のお手柄だな!でも、あんまり無理はするなよ?まだちょっと気分が悪いんだろう」
「え、そんな分かりやすい?あんま具合悪そうにしとるとまた心配掛けてまうんやけど」
「他の連中ならともかく、俺らや手前ェの隊員は誤魔化せねェだろうよ。大人しく心配されとけ」
「いや心配させすぎると闇討ち計画しよんねんあいつら」
「ぶっ!!」
「一回は諦めさせたけど次は無理そうやし、そもそもその気力もちょお無いねんな。俺らまで魅了されとったらどうすんですか言われたら俺もよぉ止められんし」
「いやそれは止めろよ」
「ははは!生駒は愛されているな!」
「ったくあいつら…俺は誘われてねェぞどういう事だァ」
「お前まで乗ろうとするな!!」
「うーん…今のところそういう未来は見えないから大丈夫じゃない?読み逃してもまぁ仕方ないでしょ」
「その言葉は信じていいんだよな?故意に見逃してる訳じゃないよな???」
「ザキは元気やなぁ。普通に癒やされるわ」
「いやおま…ああもう。お前が元気出たならいいよそれでもう…」

2024/04/21(Sun) 17:40 

◆もし微妙な愛され転生主に引っ掛かってたら@何も知らん 

「あの子めっちゃかわええなぁ。あんなん俺が守ったら、な…?あれ?何で?え、おかしない?いやおかしない、か。、、??いやいや、それはちゃうやん。うちの子の方が…あ?ぇ…?ちゃう、知らん。こんなん違うて。俺は…おれ、は?何でや、なんで…
あかん水上。イコさん、なんやおかしなってしもた」

「俺の隊長に何してくれとんねんブチ転がすぞワレェ!!!」
「水上、水上落ち着け!流石に女性の胸倉を掴むのは駄目だ!」
「おい馬鹿止めろ水上!!お前らも力貸せ!コイツが口じゃなくて物理でいくとか相当だぞ!!」
「いやコッッッワ。嘘だろお前そんな大声で罵倒するタイプじゃねーじゃんよ」
「イコさん大丈夫ですか?!」
「おん、だいじょぶ…大、丈夫…?それよりカワイイ子に酷いことするんは…ちゃう、何で今俺、水上よりあの子の味方しようと…アカンきもちわる…なぁ、おれまだ正気やとおもう…?」
「ころす」
「一目瞭然だな。水上がここまでキレた理由(ワケ)が」
「これはちょっと…面白がってる場合じゃないね。イコさんの様子がおかしすぎる。医務室に連絡しておくよ」
「うっわぁ嘘でしょゾエさんも振り払われそうなんだけど!」
「ころす」
「駄目だコイツ殺意しかねぇ」
「とりあえず水上の視界に入らないようにそっち確保して…ああ逃げないでよ。一応事情も訊かなきゃいけないからさ。ね?」

2024/04/14(Sun) 09:58 

◆もし微妙な愛され転生主が来たら7@何も知らん 

今更ながらに、異世界転生モノによくある転生特典ってやつだったんじゃないかとは思う
抵抗すれば正気に戻るくらいだから魅了というより好感度極大アップ程度だったけど、接する時間が長くなっていったらとうなっていたことか。ただ自分に関係ない所でキャッキャウフフしている分にはよくやるなぁと思う程度でスルーしたに違いない
だが、例え意識して狙った訳でなくとも生駒の参謀に手を出した時点でアウトもアウトだ
あれが一目惚れか何かして真っ当に恋に落ちたのなら微笑ましく見守ろう。ただ当人の意思を無視して心を操り、そのくせ高々取り巻きの一人にしようなどと身の程知らずにも程がある
水上敏志は生駒達人が背中を預けた参謀で、決してあの女の玩具などではないのだ
(…待てよ?ボーダーでイケメンパラダイスしたいんやったら少なくとも確実に嵐山と、多分隠岐も標的になるやんな?)
前言撤回。アレがボーダーに入ってきた時点で関わらないという選択肢は無かったらしい
まだ入隊してからそこまで経っていなかったのが幸いだった。あれで違和感を指摘しても正気に戻れないほど深く魅了された隊員がいたら纏めて敵対することになっていただろうし、それでも生駒が止まることはなかっただろうから
「せやからな、俺も反省してん。仏心出して悠長に辞世の句詠む時間やったせいで仕留め損なうんもおもんないし、もし同じような事があったら今度はちゃあんと悪即斬でいくで」
「余計なこと学習すんじゃねェ!そういうとこだぞ生駒ァ!」
「生駒っちが首狩り族になる未来が見えたら全力で原因究明するから思い留まって!!」
「判断が速いのも仲間想いなのも生駒の長所だけど、まずは言葉で解決しようとしてくれ。相談してくれたら俺達はちゃんと話を聞くからな!」
「まず確実に仕留めようとする幕末みたいな思考回路を止めろ!物理的に排除しようとするな!」
ボーダー内では隊員に、大学では同級生たまに先輩らに密着24時されること暫く。例のアレが何とか魅了を封印した上でボーダーを除隊したという話を聞いた
周りも胸をなで下ろしていたしまぁ居なくなったならそれでいいとして、万一同じような輩が出現しても今度は後れを取らんぞと宣言したら物凄い勢いで詰め寄られたでござる
いやだって、お前らがおかしくなるなんて冗談じゃないし、目には目をができないなら自分の持てる全てで徹底抗戦するしかなくない…?

2024/04/08(Mon) 06:03 

◆もし微妙な愛され転生主が来たら6@何も知らん 

弓場は生駒を気が良くて情に厚い良い男だと思っているが、情が深すぎて狂犬じみた所があるのは本当にどうかと思っている。過ぎたるは及ばざるが如しとはよく言ったものだ
いや逆鱗にさえ触れなければ全く問題は無いし、その逆鱗が大切な仲間を傷付けられる事だという点ではやらかす方が100%悪いのだが
「生駒ァ…手前ェいい加減落ち着きやがれ。あの隊員の事ァ上層部預かりで手出し無用になったんだろォが」
「んー?何のことか分からへんわぁ」
「素っ恍けてェなら手前ェに張り付いてる隊員が離れられるようになってからにしやがれ」
隊長が"うっかり"例の隊員に何かしないよう、ボーダー内では必ず一人以上が人身御供…ではなくて一応宥め役として物理的に引っ付けられているのに何を惚けようとしているのか
そもそも苦言を呈した弓場にうっすらと笑みを返してくる時点で完全に冷静ではない
いや、冷静ではないというと語弊があるか。ぐつぐつと煮えたぎる怒りを腹の底で飼い馴らし、あくまでも理性的に振る舞っているのだから始末に負えなかった
「そもそもアレは、言葉通りの意味で"人を人とも思うてへん"のが悪いんと違うのん?その上夢見心地で目の前の現実すら見えてへんから、人様の心の在り方歪めても平気でいられるんやろ。
ほんなら夢から醒める為にほっぺた抓るみたいに、ほんのちょぉっと痛い思いでもすれば、少しは現実感てもんを覚えてくれるんやないかて思ったんやけどなぁ」
「目が醒めるどころか永眠させる勢いで何言ってやがる」
生駒だって例の隊員が自分の欲望が為故意に周囲の人間を魅了したのではないと知っている筈だが、自身の参謀以外にも多くの仲間が影響されていたこともあって余計に腹に据えかねているのだろう
…殺意に充ち満ちてはいても、恐らく本当に殺そうとまでは思っていまい。ただ勢い余って"うっかり"そうなっても一向に構わないし、万が一にも二度目がないよう排除したいのに止められているから尚更クールダウンできないのだ
いくら本人が構わなかろうとこの頑固な友人が犯罪者になってしまうなど冗談じゃないので、弓場を含めた友人一同は少しずつでも生駒の気を鎮めてやるしかなかった

2024/03/30(Sat) 19:55 

次の10件→
[TOPへ]
[カスタマイズ]



©フォレストページ