Tales of...
□似たもの同士
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「……クーリッジ……」
「セネセネ…」
「…モーゼスくらいなら、と敢えて言わなかったが、使えない呪文書が溜っている。急ぐぞ。」
「あっ、私も〜!」
ウィルはそう言うと直ぐ向きを変え、歩いて行く。
ノーマも笑顔で、その後ろを付いて行った。
セネルもうつ向いた侭、付いて行く。
「…クーリッジ…」
クロエは、初めて見たそんなセネルに同情する。
しかし同時に、自分の力も足りなかったのだ、という事に気付き、不甲斐なさを感じた。
そんな事を考えていたクロエは、ノーマが呼んでいる事に気付かない。
「…クロエ、行くぞ」
仕様がなく、1番近くに居たセネルが、声を掛けた。
クロエはやっと顔を上げ、セネルの横で、同じ様にうつ向き乍、歩いた。
「…すまない…」
「…いや…」
2人は悔しくて堪らなかった。