Sound Horizon
□Ark(前編)
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気を付けていないと聞き取れない程度の微かな音だったけれど、私にはとても大きく聞こえた。
嫌な予感がした。
けれど、足は勝手に動き出す。
止まらない私の足が、動かない私を運んだ先は。
ずぶ濡れになった人間が、虚ろな目で立ち呆けた玄関。
……“これ”は本当に私の知っている人?
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