頂き物

□これが運命だと云うのなら
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「……、」



男の言葉にどう返事をして良いか解らず、俺は目の前の男を見る事しか出来なかった



「あ、ウチの名前はスパナ。」



「…何が目的だ?」



俺が人を殺していたのを見ていた筈だろう?と目で訴えた。


少なくとも一般人なら叫ぶだろう。


しかし、目の前のスパナと名乗った男は取り乱さない。笑みさえ浮かべている。
何か魂胆がある筈だ。
何処のファミリーの者なんだろうか。




「興味がある。」



「は…?」



「ボンゴレは関係無く、沢田綱吉、あんたに興味がある。」



その言葉に俺の心は歓喜の叫びをあげていた。



視界に入る、これでもか、という星の煌めきの眩しさと、スパナと名乗った男が発した言葉に眩暈がした。






* * *


それから何故か俺達は連絡先を交換し、次第に惹かれ合い、唇を重ねて、身体を重ねて、甘い言葉を囁き合った。



スパナと居るだけで、心が潤う様な感じがした。








でも今彼はイタリアには居ない。
俺の母国、日本に行っているからだ。



俺も一緒に行きたかったが、仕事がある為行けなかった。



只の旅行ならまだ良い。



でも彼はいつイタリアに帰るか解らないと言った。



「もう半年も経つんだ…」



スパナの温もりに
肌に
唇に


優しさにもう半年も触れていない。




「スパナ…」



愛しくて、もどかしくて



破裂してしまいそうだ。



会いたいと



そう思う事は我が儘ですか?…






ソファに力無く倒れ込み、寂しさを拭うかの様に綱吉は目を瞑った。






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