FATE/stay night
□the 1st day(V)
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衛宮邸に響く金属音。
殺気を身に纏い、互いの得物を振るうサーヴァントたち。
片や痩身の蒼き槍兵。片や不可視の剣を持つ騎士。
伝説となるほどの武人たちが、力を、技をぶつけあう。
舞踊を思わせる、激しくも華麗な闘いに、俺は思わず見入っていた。
「じゃあな……その心臓貰い受ける!!」
先に動いたのはランサーだ。
槍先に禍々しいまでの魔力と殺気が集まる。
早く、速く、疾い。
だが、低い過ぎる。ランサーの槍は、地を這うかのように突き出てくる。
対して、セイバーは上から槍を切り伏せる。
「刺し穿つ――ゲイ」
そして、因果が捻じ曲がる。
「死棘の槍――ボルク……!!」
ランサーの叫びと同時に、槍が上へ、セイバーの胸へと軌道を変える。
刃が少女の胸、心臓を貫く。
血が、血が、血が。彼女の背中から吹き出して……
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