05/15の日記

18:51
何やってんだ! と怒ってやって下さいm(__)m    駄文その1
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 ――天より吹き下る風霊の息吹よりはやく
   あまた多く照らし出される神の顔――光よ

(<天より吹き下る……>さすが。凝った古代語を使ってやがる)

 銃声と共に走る古代語、銃口から弾丸のように放たれる魔法。
 それらをルーカは冷静に読み取り、
「だが長ぇ。もっと短く強く組めるぜ!」
 自らも、銃を構え魔法を打ち出した。

 ――怒れ、中絶された神の子よ
   ことほぎと産声を与えられず地獄に堕ちた悪魔

 ルーカとヒエン。二人の中間地点で、闇と光、二つの魔法がぶつかり合う。

(<中絶された神の子-インカヒルダ->!? 何と強いゲルマリックだ!)

 ――かつて神の子あった胸うちを示せ

「……ぐぅううッ!」

 闇が光を打ち消し、衝撃で風が舞う。

「どうした! まさかもう終りか!?」

 砂埃で視界が悪い中、ルーカはヒエンを挑発する。だが、それに答えたのはヒエンの声ではなく、
 ガッ、という鈍い打撃音だった。

「光をも駆逐する闇魔法……か。さすがだな」

 隙をついて背後に回ったヒエンは銃を鈍器として、ルーカの後頭部を殴ったのだった。

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18:48
その2
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「十六歳で<予言者>級の等級を持ち、五万語もの古代語を知ると聞く、キメラの魔銃士!」

 倒れたルーカから視線をそらさず、相手を確認するかのように言う。

「……へッ。お望みなら見せてやるぜ!」

 片膝をつき、売り言葉に買い言葉を返すように笑う。

 ――天を穿て炎の柱
   赤き目の王の心臓を貫いた大槍よ

(<炎の柱……>火魔法の詠唱か……ならば)

 ヒエンは銃身を回し、水魔法を選ぶ。
 同時にルーカが左手にも銃を構えた。

 ――来れ大河
   るつぼをかきまぜる大いなる腕

   果てよりきたり、果てへと去る
   かろやかなる空の脚よ

(<大河>だと? 奴も水魔法の詠唱を! まさか、火魔法に相反する水を混ぜるのか!?)

 思考が深みにはまるヒエンをよそに、ルーカの銃が火を吹く。

(くっ! しかし水魔法で来るのなら土で対抗するまで)

 魔法を素早く切り替え、地面に向けて引き金を引くヒエン。

 ――とこしえにまろきその懐……

 その古代語を聞いて、ルーカは唇を歪める。

(水魔法ではない!?)

 土の壁を溶かし、襲って来る炎を見て、ヒエンは答にたどり着く。

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18:46
その3
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(……そうか<大河>は水の事ではない。<かろやかなる空の脚>! つまり――風の事だ!!)

 爆炎を受け、吹き飛ばされる中、ヒエンは思う。

(魔法のかけ合わせ……これが、キメラの魔銃士)

 勝利を確信し、ゆっくりと立ち上がるのは、

(――ルーカ・アスラシオン!)


以上
講談社シリウス
一文字蛍さんの
『銃姫 Sincerely Night』でした

絵にクセ?がありますが、酸素は面白いと思います

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