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□それゆけ! レンきゅん☆<ボカロ TYPE.A>
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レンがふとリビングを覗くと、メイコが眉間にしわを寄せながら一冊の雑誌を眺めているのが見えた。
よほど機嫌が悪いのだろう、形のいい足を組んでブラブラさせながら悪態を付いているようだ。
「? なに読んでんの、姉ちゃ・・・ッ!?」
別に特別関心があったわけではないが、メイコがそれほどまでに気分を害するものが何なのか気になったレンは何気なく覗いて―――
「は・・ぁぁあぁ!!???」
―――思いっきり目を剥いた。
それというのも。
「な・・・なんで姉ちゃんそんなモン読んでるんだよッ!!」
「なんでって。別に理由なんか無いわ。そこにあったからよ」
メイコが手にしていた本が、思いっきり大人w雑誌だったからである。
レンは動揺のあまりうろたえてしまったが、返す目のメイコの凍えるような凍りついた瞳に、身体の芯を冷やされ、あっさりと通常モードに戻った。
「・・・ま、それはいいとして・・・。で、姉ちゃんは一体ナニに怒ってたんだよ。マスターがエロ本持ち込んだ事か?」
「まさか。そんなことで私が怒るわけないでしょう? 大体これも檜垣がマスターに押し付けたものだろうし」
「あー、檜垣さん・・・。」
いかにもやりそうだよな。
レンもそれには深々と頷くと、遠い目でマスターの悪友を思い出す。
根っからの女好きで、ルカマスターの檜垣。
人間性は悪くないのだろうが、なにやらアヤシイネタを見つけるとすぐにうちのマスターに吹っかける、あらゆる意味で騒動の元だ。
この間も兄ちゃんが・・・ッ!!
―――――と、危うく脳内で苛立ちを盛り返しそうになったレンの前でメイコはアッサリと雑誌を広げると、ココ、と綺麗な爪である一箇所を指し示す。
「えー・・・っと?」
はっと我に返り慌てて雑誌を覗き込んだレンは、ソコにあるモノを認め、大きく身を仰け反らせる。
「な、なんだコリャ〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
「ね。そりゃ私も怒ると思わない?」
そこにはオモチャが載っていた。
―――――大人のオモチャ、が。
『オ○ホール ミクティ』
あの人気ボーカロイドキャラとハメられちゃう!?
激エロオナ○でございます。
パッケージでは、ちょっと可愛くないミクが恥らって体育座りをしている。
そして隣にあるピンクの髪のオンナノコは・・・ルカ、だろうか・・・??
「・・・・・ッ!! まんまミク姉じゃんかッ!! え!? こんなのってアリなのか!?」
「知らないわよ。というか、著作権とかどうなってるってことよりも、使用料払ってるんでしょうねッ!!」
たじろぐレンを尻目に、メイコは吼える。
「・・・問題は金なのか、姉ちゃんっ!?」
「―――――他に何があるっていうのよ」
世の中、金よ。
ズバッ
「・・・・・。」
言い切るメイコに、切なさを感じながらレンはウン、そうだね・・・と呟くと、改めてその商品をマジマジと見つめる。
ミクとルカ・・・
じゃぁ・・・
「ねぇ、姉ちゃん。カイト兄のは―――」
「あるわけないでしょ」
ズバッッ!!
間髪いれず、いや、むしろ遮る勢いで即答したメイコは冷ややかにレンを見つめると、馬鹿にしたように鼻を鳴らす。
ですよねー・・・。
レンは居心地悪そうに身じろぎながら、それでも未練げに雑誌を眺めたのだったwwwww
つづくょっ!? →