□メイコさんとカイトくん。<ボカロ TYPE,X>
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 ここは、とある一室。
 マスターが居るんだか居ないんだか分からないこの部屋で、メイコさんとカイトくんが暮らしていました。
 メイコさんはどうやら働いているようです。
 カイトくんは・・・ま、『ソレ』っぽいようです(笑)


「あー、今日も散々だったわ」
「おつかれさま、めーちゃん。はいビール」
「ありがと」

 プシュッと音を立てて、ビールを開けるメイコさん。

「ッかーッ!! この一杯が堪んないのよね!」
「・・・なんでもいいけど、めーちゃん、男の前でソレはやめたほうがいいと思うよ?」
「アンタは男に入んないわよ」
「・・・うぅ・・・。」

 呻くカイトくんの事など知らぬげに、メイコさんは息巻く。

「それより! 聞きなさいよ!!」
「なに? 今日は何があったの?」

 勢い込んで身を乗り出すメイコさんに、カイトくんも慣れたもので、問い返す。

「今日職場の同僚が、言ったのよ!!」

 ビールをダンッとテーブルに置きながら、メイコさんは吼える。

『あー、ギター弾いてみたいわぁ』

「だから、会話としては『肯定』が社会人としての常識でしょ!?」
「う、うん」
「だから言ったわよ! 『いいですね』って!」

 そして盛り上がりでギター話を振るのは当然。
 だから、言ったの!
『ギターって、確かGマイナーとかあるんでしたっけ?』
 そしたら!

『あー、アタシ楽譜とか音符読めないんだよね〜』

 面倒だわ、という雰囲気垂れ流しで呟く。
 ほかの子が、じゃ、太鼓とかは? と水を向けてたら。

『あー、ソレもいいわねー』

というくせに、近くに習う場所がありますよね、というと、

『でも、お金かかるしなぁ〜』

!!

「それで思い出したのよ。先日のこと!」
「なに?」

 先日、ロールケーキを作りたいといいだして、何ケーキが食べたい? と聞かれたから『イチゴとか、いいですね』と言ったら、

『でも、作るの面倒なのよね』

 挙句、

『買ってきたロールケーキでも、デコレーションしようかしら』

 そういっていたくせに、それも面倒になったようで、それ以来ケーキの話題は出ずじまい。

「そのくせ趣味が欲しい〜、何かしたい〜と人生に不満を持っているのよ!? 何かしたいならしろって言うのよ!! 『面倒』で全部片付けるクセして、何が趣味よ!! ヤル気ないくせに、趣味のある人間を羨んで妬んで。休みの日は自分が一歩も家を出ないからって、『大雪が降ればいいのに』とか楽しみがある人間に毒を吐くのよ!!」
「そ、それは、面倒なヒトだね・・・」
「そうなのよ! 『自分の人生は、本にしたらベストセラーになるくらい波乱万丈だったんだから!』なんていうくらいなら、本にでもすればいいじゃない!! そしてベストセラーでも何でもとって見返せばいいのよ!」
「・・・うん」
「あぁムカツクッ!!」

 息も荒くビールを飲み干すメイコさん。
 それでも、一本飲み終える頃には落ち着いてきた。

「はー・・・、スッキリした」
「めーちゃん、落ち着いた?」
「あー・・・うん」
「じゃ、口直しに」

 カイトくんはテーブルに『JINRO』と、ツマミに『ニンジンのお新香』を差し出す。

「最強タッグね〜。やっと分かってきたじゃない」
「ま、めーちゃんの酒の付き合いは長いからね」

 喜ぶメイコさんにカイトくんはそういって、『雪見大福』をさっとテーブルにのせる。

「「いただきまーす」」

 ふたりは、各々大好物を口に運ぶ。

「あー、染み渡る!! そして美味しいじゃない、このニンジン」
「ホント? 実はソレ、僕が漬けたんだよ?」
「え?! 本当に? ・・・アンタ、ニートになってそんな腕ばっか上げて、大丈夫なの?」
「―――嫌なこと言わないでよ」

 むくれながらも、カイトくんは雪見大福を美味しそうにほおばる。

「この、冷凍庫から出してちょっと経った絶妙な柔らかさがイイんだよね〜」
「これぞ、至福! ね」
「そうそう」

 そんなこんなで。
 メイコさんのグチを聞きながらものんびりとした時間を過ごす二人の未来は、明るいと・・・信じたい(笑)



                        おそまつ。


『メイコさんとカイトくん。』2010.2.1

もう、グチらなきゃやってられないよ人生は!!
・・・ってことで産まれた話(笑)
本当はオリジナルでやろうと思ってたけど、いい媒体があるじゃないか〜vvvvv
ということで、二人にまったりグチってもらってます。
あーすっきり!! ←自己満。
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