■絶チル短編ストーリー■

□◆飴A(葉×賢木寄り)◆
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口の中の飴の甘い味と、香りでアイツを思い出しながら仕事したいのに…
「んだよっ!テメーは…帰れ」
診察室に患者ですと言い張り居座るコイツを一分一秒でも視界から消したい。
「…えぇっ…ひどい…ニィさん」
ぐすんと泣き真似する奴をしらっとした視線で見つめた。
「お前さ…敵でしょ?立場ってのを…」
胸ポケットから取り出したボールペンでコツコツと机の上で音を立てる。
が、そんなのお構いなしのパンドラからの客人は、俺の方へ椅子に座ったまま近づいてくる。
「薔薇…ニィさん趣味わるっ」
鼻を顔に近づけてくるコイツの肩をぐっと押さえつけ、これ以上近づくなと諭す。
「葉…だっけか…お前はなんなの?」
「健全な男子だけど」
答えになってないから。
話し合いにはならないと思った俺は席を立ち上がり小さくなりはじめた飴をガりっと…ガリ…。
「あぁっ!!…噛んじまった…貰ったのに」
もう少しだけアイツに浸るつもりが、コイツのせいで狂っちまった。
直立不動でがっかりと背中を丸くする俺の真下から、膝を抱え小さくなった葉が俺の顔を見上げていた。
「俺は…気が狂いそうだ…頼むから帰…っ」
そう、忠告したはずなのに。
どこが健全なんだか…
「テメーっ…何すん…」
突然重ねられた唇が離れた時、俺はそれがアイツだったら良かったのにと酷く後悔をした。
「…ホント…ムカツクよね…ニィさんは…」細く閉じられた瞼がすっと開かれ、そこから覗く鋭い瞳が俺を睨みつけていた。
「俺にはアイツだけだから。邪魔すんな…邪魔したら容赦しない…」
勢いよく振り下ろされたペン先を葉の眼球ギリギリで止める。
もう来るなと警告したつもりだった。
一瞬の静けさの後、ぱっと立ち上がった奴の考え無しの行動に再度キレる。
「いってぇっ!!…マヂで来んなっ!一生来んなっ!」
勢いよく立ち上がった奴の頭が、がっつり顔面を直撃した。
痛む顔を押さえながら、喚きちらすと、奴はまた陽気な笑顔を見せて、窓に立っていた。
「今度は俺も容赦しないからね〜ぢゃあね」
ひらひらと手をふりながら出ていったあと、俺は窓をぴしゃりと締め、どっかりと椅子に座りこんだ。
そして、先ほど後悔した場面をふと思い出すと………。
「んのヤロー…皆本との間接チューぢゃんかよっ!!…なんかすげー馬鹿…俺」
と、無残に俺の叫びは診察室に無情に響きわたっていた。

*END*

2009*11/24*乙夜

≫賢木はこの場合…受なの?攻なのと迷いながらの初でした(笑)うちのサイトの葉はこれから開発していきます!
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