■絶チル短編ストーリー■

□◆眠れぬ夜2(兵部×皆本)◆
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『皆本…あたし…』
目の前に広がる異様な光景。
『皆本はん…どないしたら…』
だから。
何故だ。何故制服を脱ぐ。
『皆本さんが悪いのよ…』
迫るな。
大人verでチルドレンの制服を着るな。そ、そんな目で見るなっ!
声を出そうにも声が出ない。
白い羽が舞う中、成長したチルドレンが目の前で顔を赤らめながら制服を一枚一枚と脱ぎ捨てていく。
や、やめろ!!ってか、こんな夢なんて…
「うわあああっ!!」
すべてを振り払うように、勢いよく飛び起きた。
「はぁ…はぁ…なんて夢だ」
額の汗を拭い、再びベットに手を付けると、柔らかい感触があった。
「…なっ…」
まさか。正夢なんてと恐る恐る振り返る。
「おまっ…ふぁっふ!!」
しぃと口元に人差し指をあて、更に僕の口元をしっかりと押さえる奴の姿がそこにあった。
「ひゅふぁふっ!!」
いいたいが言えない。
「女王達に気づかれちゃうだろ?」
大体、何故こうにも目覚めの悪い事態を引き起こすんだ…この変態め。
「しっかりと目に焼き付けたから…カワイイ寝顔」
にっこりと笑顔で言われた所で許せるわけがない。
押さえられている手を振り払うと、はぁはぁと息を整える。
「兵部っ!いつからここに」
今までの前歴から考えると、まずは自分の身の安全を確保せねばなるまい。
僕はくるりと布団にくるまり、壁にぺたりと背中をつけた。
「皆本クン。自分から誘っておいて、それはないだろ?」
ベットに横になりながら、クスクスとイタズラに笑う。
「…まぁ。そこまで警戒されちゃあね…今日は帰るよ」
「…」
意外にもあっさりとベットから降りる。いつもなら、嫌がらせの一つや二つはして満足げにしていたのに。
「幸せそうな寝顔だった」
シャツのボタンをしめ、トレードマークの学ランに袖を通す。
なんだか物足りない気もした。
「兵…」
僕はおもわず、奴の背中に手を伸ばしたが、視界がぼやけ、ベットから落ちそうになった。
「っと。眼鏡がないとダメだね…まあ、そんな君もカワイイんだけどね」
ふわっと体を支えられた。
その腕の中が暖かくて、安心できた。
優しく髪を撫でられ、その心地よさに兵部の腕に体を預けていた。
「また会いにくるよ」
そう言ったあとに、軽く口づけをされた。
「…いつも反則だ…」
不意をつかれたキスがとても甘かった。
「さあ。女王達がお目覚めだね。またね。皆本クン」
暖かい感触を残したまま、奴の姿が消えた。
もう少し、そのままでと言えない。頭の中で、賢木の顔が浮かんでしまった…。
「さて…あの夢は」
夢。そう。チルドレンが迫ってくる夢…………兵部がいた。
兵部。
夢。
「やられたあああっ!!」
今になってつじつまがあってしまった。
「やっぱり、もう来るなっ!!」
そしてヤケになった僕が二度寝して、チルドレン達に手厚く起こされたのは言うまでもない。
*END*
2010*8/4*乙夜

≫相方のを読んで、その後が書きたくなったので…寝起きの皆本が個人的には無防備で大好きです(笑)##LINK1##までご感想をいただけたら励みになります。

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