■絶チル小説■

□◆願い(皆本×葵《中学生ver》)◆
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背伸びして、憧れて。
本当は、うちだけ見ててって。
「皆本はん…」
目の前に立つ、うちの大好きな人。優しくて、たくましくて、ほんまに好きでたまらない。
「葵?…あ、穴あくから」
「あ…ごめんなさい」
じっと見つめ過ぎたみたいや…
でも、こんなことは久しぶり。
なんたって今日は独り占めできるんやから。
小学生の頃に大阪に同伴したとき以来やなあ…って感傷にくらい浸りたい。
「いい加減に寝なさい…病人なんだから」
「はぁい…」
たしなめられて、いそいそとベッドの中に潜る。
風邪をひいたうちは結局学校を休む羽目に。でも、その代わりに幸せな代償がついてきた。
布団に入ったことを確認すると、皆本はんは部屋から出ていこうとする。
「皆本はん…お仕事休ませてごめんなさい…」
1日一緒に居られる幸せが本当は仕事が犠牲になったことくらいわかる。
「いいさ」
出口に向かっていた皆本はんがくるりとこちらに向き直り、近づいてきた。
「今日はゆっくり寝て風邪をなおそうな」
「うん…」
額に置かれた大きな手から伝わる優しさ。
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