■絶チル小説■

□◆Child Love(皆本×薫《中学生ver》)◆
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最近のあたし…なんか変だ。
ドキドキしたり、それなのにたまにイライラしたり…
「ぜ、ぜぇ〜んぶ皆本のせいだ!!」
両手をグーに握り、天高く両腕を突き上げながら叫んだ。
だってそうじゃん…皆本がいるからドキドキしちゃうんだから…。
「お前さ…ベランダから叫ぶなよ…僕が犯罪者扱いだろ」
背後からする声に振り返ることもできずにいた。
「…それとも手伝ってくれるのか?」
ふわっと頭に乗った手から伝わる暖かい感触に、びくっと肩が上がる。
「こ、子供ぢゃな…い…」
照れ隠しで思い切り振り返ると、そこには皆本の胸元があって、あたしはそこに飛び込むように倒れ込んだ。
「大丈夫か?お前熱でもあ…」
「…な、なんでもないっ!貸して!干すんでしょ?洗濯物…」
慌てて立ち上がり、目線を反らしながら片手を出し、洗濯物を催促する。
隣に並んで一緒にいることだけなのに、ふと触れる指先さえにも心臓が高鳴る。
きっと、あたしだけなんだろうな…と、ちらっと横目で見る皆本の顔はいつもと一緒。
「しかし。珍しいこともあるもんだな…お前だけが留守番なんて」そうだ。
今日はよりによって紫穂はお父さんの誕生日で実家に、葵は単独任務でナオミちゃんと二人で居なくなり…この先こんなことがあるのかと思うこのような奇跡的な展開に。

『いい?薫ちゃん…』
『抜け駆けするようなことはせぇへんように…』
『薫ちゃん…素敵なお姉さんに巡り会わずに神様と巡り会うのは…』
『嫌やろ…?なぁ…薫』

あぁ…出かける前の鬼のような二人の顔が鮮明に蘇る…
「薫?僕も出かけるけど留守番出来るよな?」
「な、何でっ!」
さらっとした発言だが、あたしにとっては大問題。
「…何でと言われても仕事なんだからしょうがないだろ」
なだめるように言い聞かせられても、あたしは一緒に居たかった!って声を出して言えたらいいのに…。
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