■絶チル小説■

□◆俺と彼女の事情(賢木×紫穂《中学生ver》)◆
2ページ/8ページ

「…紫穂ちゃん?」
「ゎ…かったわよ」

 不本意そうな顔をしながらも…頬が少しだけ赤い…それを俺は確かめ、教室の奴らに言葉をかけた。

「じゃ、俺が責任もって送り届けるから…心配しなくていいよ。」

 ニッコリと笑顔で教室を出た。


「…センセイ、何考えてるのょ…こんな事して…」
「ただたんに、この方が早いと思ったんだよ。」
「は、恥ずかしい事しないでよね…」
「…悪ぃ」

 今だけは俺の心を読まないでほしい…そう願わずにはいられない。ただのヤキモチだなんてょ…言えるわけがねぇ…
 俺は軽くため息をつく。そして、紫穂ちゃんの体を抱き抱えたまま学校の玄関を出て、バイクのシートに座らせる。そして、自分の白衣をたたんで、座りやすいように準備してから紫穂ちゃんの体を後ろにずらした。

「とりあえずはこれで我慢してくれ。少しはマシなはずだから…」

 俺はそう言ってヘルメットを紫穂ちゃんにかぶせ、自分もヘルメットをかぶった。

「んじゃ、ちゃんと掴まれよ」
「…どこに?」
「腰にしがみついてかまわねぇから。あー…んな軽くじゃなく…」

 手を掴むと、自分の腹の辺りまで引っ張り、手を組ませる。そして俺は、バイクのハンドルを回し、発進させた………

「…やっぱ、まだ任務から帰ってきてねぇか…」
「そうみたいね…」
「んじゃ、紫穂ちゃん…足見せてみろ」
「だ、大丈夫だってば…」
「いいから。ほら、座って…」

 無理矢理にソファに座らすと、右足に触れてみた。…少し熱をもってるようだが…二、三日で腫れはひくかな…

「はい、オッケー…無理して歩くなよ。皆本も薫ちゃんも葵ちゃんも任務でいないんだからな…」
「そうは言っても…食事やお風呂の準備とか…」
「ん〜…俺がやれば問題ないだろ?」

 そう言った俺の顔を紫穂ちゃんが驚いた顔で見つめている。…ん?俺、何か変な事言ったかな…?

「……じゃ、センセイ…今日、泊まるの?」
「え?あ、いや…飯の準備したら帰るから!心配しなくてもっ!」

 紫穂ちゃんの一言に焦りまくる俺。泊まるなんて考えてもいなかったわけで…

「…センセイ、顔が真っ赤よ?」

 クスクス笑う紫穂ちゃんに……俺はからかわれたのがわかった。

「お、大人をからかうんじゃないっ!マジに焦っちまうだろうが…」
「ごめんなさぁーい。…センセイが何を作ってくれるか楽しみに待ってるわね?」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ