■絶チルBL■

□◆雨(賢木×皆本)◆
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しんっと静まりかえった部屋に二人。窓から街に激しく降りはじめた雨をただただ見つめていた。
「…雨だな」
「やむのかな…」
当たり前の話に素直に問いかけた。やまなくてもどうだって正直どうでもよかった気がする。
すっと伸びてきた手が腰にまわる。
「やまなくていい理由を聞かせろよ」
ぐっと賢木に抱き寄せられる。
それに抵抗する理由もない。
「…ん…なんでだろな」
素直に言いたくはなかった。
言ってしまえばただ支配されるんじゃないか。
そう思った。
「素直じゃないねぇ〜」
首筋と、頬と瞼と順にキスに支配しされていく。声を押し殺しながら唇が重なりあわないことに、じらされていると気づき、上目使いで賢木を見つめた。
「お前さあ…反則…それ」
急に視界が悪くなり、床にカランと眼鏡が落ちた音がする。
更に強く抱きしめられ、暖かい唇が重なる。
それに呼応するように両腕を賢木の首にまわす。
「…積極的だな…皆本」
離れた唇が恋しいように、瞳を見つめた。
「…なんでだろな…」
絶対言ってやらない…。
お前が望む言葉なんか言ってやらない。
本当は二人でいられることが嬉しいなんて…。
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