■絶チルBL■

□◆受難な皆本くん*2(賢木×皆本)◆
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絶対口なんか聞いてやらない。
制服事件から1週間、賢木と口をきいていない。
さすがにこれだけ避け続ければ少しは反省するだろう。
…怒ってるわりには…賢木のコト考えてるな…
そんな思いを消し去るように、大きく息を吸い込みゆっくりと吐き出しながら、廊下を歩く。
すると、とんっと誰かとぶつかる。
「すみま…」
その相手を見て、はっとした。
『今日は話したい。二人で会いたい』
口にはしない触れただけでの会話。そんな会話ができるのは彼だろう…賢木。
「なっ…」
彼は素知らぬ顔で何もなかったように立ち去る。
きょとんとその場に立ち尽くす。…行かない。許してない…のに。『会いたい』
なんて言うか?…油断しちゃうだろ。
僕は多分嫌いにはなれない。
その誘惑の言葉を受け入れてしまっていたのだから。

久しぶりにくる賢木の部屋。
相変わらず物が少ない雑然とした空気だ。
合い鍵であがりこみ、しっかり夕飯まで作ってしまった…
これは自分に正直だというのが適切なのか、自分が賢木に弱いと認めているのか。
鍵をあける音に思わず立ち上がって玄関に足早に向かう。
「おかえ…りっ…な、何っ」
帰宅早々、僕の両肩をがっしりとつかみ、その体勢のままリビングまで押されていく。
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