■絶チルBL■

□◆密恋(兵部×皆本)◆
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『素直になりなよ…そうすれば、優しくしてあげるかもよ?』
 いつか兵部に言われた言葉…
 だけど今更素直になんてなれない…と思う。
 僕は小さくため息をつく。
 考えてはため息…さっきからこれの繰り返しだった…
「…………兵部に…会いたい…」
 呟いて、机につっぷした。今の僕の顔は赤いことだろう…
「何言ってるんだ僕は…奴に会いたいだなんて…」
 いつもだったらこんなタイミングで兵部が現れるはずなんだ…でも、今日はその気配はない。
「そうそうタイミングがいいわけないか…」
 気分転換のつもりでリビングの窓を開ければ、気持ちのよい風が頬を撫でた。
 ベランダに出て、太陽に手をかざす。指の隙間から日差しがもれ、眩しい…
「ん?何だ…」
 指の隙間から流れる光に大きな影が入り込み、それが段々と近付いて……急に僕の指が絡めとられた。
「や。皆本くんvこんにちは。」
「………兵、部…」
 嘘だ…このタイミングで現れるなんて…
「ちゃんと、本物だよ。」
 絡めた指先にキスしながら兵部はニヤリと笑う。
 僕は身動きも出来ずに、兵部をただ見つめてしまった…
「何で、ここに…」
 呟く言葉はありきたりで…一瞬のパニック。そんな態度に、空中に浮く兵部がいきなり腕を引いた。
「ぅわっ!」
「君も僕の散歩に付き合ってよ。どうせ暇だろ?」
 兵部の力で僕の体は浮く…って言うか……
「この肩の手はなんだよ!お前の力ならこんな支えなくったって…」
「ん〜…お姫様抱きの方がよかった?」
「………このままでいいです。」
 また可愛くない事を言ってしまった。あ、あんまり考えないようにしないとまた読まれ…
「クックッ…今日は読まないでいてあげよう。」
「今の時点で読んでるだろ…ったく。で、どこに向かって…」
 行き先も言わずに無理矢理連れてこられて不安になる。兵部の今までの行動が行動だからなぁー…
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