■絶チルBL■

□◆前髪の理由(賢木×皆本)◆
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恋愛をしていて。
「あたしのコト見てないぢゃない…」とか。
「気づいてくれないなんて」
とか。そんなのが続くと最悪なコトに。
「そんな修二なんか…嫌い」
とくる。
好きな女なのに、時に面倒になる。どんなに体の相性がよくても、可愛くても…小さいコトなのに。

そんな時に会いたくなる。
『会いたい』
診察室の机に頬をつけて、携帯を眺めながらメールを打ってみる。
「う〜ん…」
悩んだ挙げ句に、送信をせずにそのまま携帯を閉じる。
「念を送るとか」
サイコメトラーのくせに原始的だと自分でも思った。
「ダッセェ…な。俺…」
夜遊びあとの女との結末に疲労困憊し、無造作になっている頭をワシワシとかきむしる。女に未練があるわけぢゃない。
確かに繋がっているときはいいケド…。
なんか違ってる。
悶々とする気持ちとは裏腹に窓からの暖かい日差しが容赦なく眠気を誘ってくる。
「わっかん…ねぇ…なぁ…」
そう言ったところまでは覚えてたんだけどなあ。
「…賢…木?」
ふわっとした手が心地よく俺の頭を撫でる。
「んぁ…」
ゆっくりと頭から頬を撫で、そして、日差しよりも暖かく柔らかい覚えのある感触が触れてきた。俺は思わず思わずその手を掴み、柔らかい感触を味わった。
「んっ…ん」
一瞬奪われた呼吸を取り戻した目の前の相手は顔を赤らめ口元を押さえていた。
「…皆本…」
そして、俺は呼びたかった名前を口にする。
「…いきなりは反則だからな」
そう言いながらも、にっこりと微笑む。そんなお前も反則だ。
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