■絶チルBL■

□◆誘惑…(兵部×皆本)◆
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 なかば無理矢理に、皆本くんを連れて(拐って)温泉に来ていた。
 最初は嫌々だった皆本くんも、温泉と料理に満足したのか、今は機嫌がいい…
「…来てよかった?」
「そ、そりゃ…最近疲れが溜ってたから温泉には来たかったけど…でもこんないきなり……」
「こうでもしなきゃ、君は家の事やって休みを潰してしまうだろ?たまには息抜きしなきゃ……それとも、僕との温泉は嫌だったかな?」
 皆本くんを見つめてニッコリと微笑んでやる。それに対して顔を赤らめ、ボソリと呟き返す…
「………い、嫌だったら…もう帰ってる…」
「そうだね…」
 僕はクスクス笑い、日本酒を一口口に含んだ。普段はあまり飲まないんだけど…たまには皆本くんに付き合って晩酌といこう。
 見れば、皆本くんのそばにはビールの缶が三つ並んでいた。どうやら空らしい。
「…ペース…早いんじゃない?」
「ぅん…料理うまいし…それに……兵部も飲んでるし…」
 そう言って皆本くんは四本目に口をつけた。
 ゴクゴクと皆本くんの喉元をビールが通りすぎてゆく…
「…目の毒だね。」
 旅館の浴衣から見える、首筋、鎖骨、胸元にいやでも目がいく。
 普段、きっちりとスーツを着込む皆本くんからは想像が出来ないほど無防備な格好…ホント、参るよ。
 僕は視線をそらし、窓の外を眺めた。山奥の旅館…ここは静かな場所だ…だからここを選んだわけなんだけどね…
「…兵部…どこ見てんだよ…」
「あ、ごめんごめん。静かでいいなって思ってただけだよ…って、皆本くん…それ、五本目?」
 ちょっと外を眺めただけで、ビールの空き缶が四つに増えていた。
 こころなしか、皆本くんの頬も赤くなっているようだ…
「兵部…何で僕を温泉に連れてきたんだよ…」
「ただの骨休めだよ。」
「本当に…それだけ?」
 飲みかけのビールをテーブルに置くと、皆本くんはよつんばいで僕に近付いてくる。
 チラチラと見える胸元と太股に目がいってしまい…参る…
「…君と、温泉に来てみたかった。それだけ…」
 皆本くんの手が僕の手に触れ、そしてギュッと握り締められる…
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