■絶チルBL■

□◆恋人妄想主義(賢木×皆本)◆
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今日も1日の診察が終わった頃、白衣のポケットに入れていた自分の携帯が震えたのに気づいた。
「ん…」
メールの受信。
送り主は…皆本か。で、内容は…
「悪い、ちょっと出てくる」
読み終わった携帯を再びポケットにしまい込み、急いでその場所に向かった。

「皆本っ!!…どうしたよ…お前は」研究室のドアを勢いよく開くと、目の前には資料の山に埋もれている皆本の姿があった。
机に顔を伏せ、クタクタになっている。
「…さ、賢木ぃ〜…」
ウルウルと涙目になりながら、俺を見つめる奴に、ひとまず近づき、背中をポンポンと叩く。
「局長が犯人か」
背中に触れてわかった事実。
どうやら局長の仕事の一部を押し付けられたらしい…チルドレンの勉強の一貫という理不尽な理由で。
「…自分の仕事すら出来ない」
「さすがのお前もこれぢゃな」
山のようにそびえ立つ資料には沢山の付箋紙が付けられていて、中には事件例の写真のファイルも見えた。
「そりゃ〜『助けて』ってメールしたくなるわな」
苦笑いをしていると、ぎゅっと俺の腹に座ったまましがみついてきた。
「賢木ぃ…」
ぐすんと泣く皆本の頭を撫でてやると、さらに抱きつく力が強くなった。
「…よし!皆本!帰るぞ」
俺は皆本の手を掴むと、こいつのストレスをまず発散させねばと、正義の味方賢木サマは立ち上がった。

そして、向かった所はお互いに行きつけの居酒屋。
「酒でも飲んで憂さ晴らししようぜ?」
「…」
個室に通された俺達がはじめに頼むのは大概ビール。
魂が抜けた抜け殻は、運ばれてきたビールジョッキを持つと乾杯の前に一気に飲み干した。
乾杯を待っていた俺はジョッキを片手に唖然とするしかない。
飲み干したジョッキをガンッと音を立てテーブルに置くと、うつむいていた顔が一転…
「だああっ〜っ!!何が君の為だよっ!!」
皆本さん…御乱心ですか?
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