■絶チルBL■
□◆夜の支配者と可憐な君…(兵部×皆本)◆
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夢の中…僕は銃をかまえる…
撃ちたくない…何度となく思った事…
それでも相手は攻撃の手をゆるめず…
「兵部!もう止めてくれ…僕はっ…」
君を失いたくない……
「っ!」
汗ばんだ体にまとわりつくシャツ…それに不快感を覚えて僕は起き上がる。
何度この夢を見ればすむのか…
「……兵部」
大切だと気付いてしまった…失いたくないと…でも未来は着実に迫ってきていて…
「僕に止められるのか…」
触れ合う指先は求めているのに…触れればこぼれ落ちそうなほど脆い関係…
兵部…今すぐ会いたい…会いたくてどうしようもない…
僕の心の中に刻みこまれた君を消す事が出来ないから………
いつものように仕事をすませる。忙しければ余計な事など考えなくてすむからだ。
「さて、今日の仕事は終りだ…」
パタンとパソコンを閉じ、背伸びする。そして僕は、バベルをあとにした。
真っ直ぐ部屋に帰る気にもなれず、僕はドライブをしていた。そして、どこかの公園の駐車場に車を停車させる。
「はぁ〜…何をやってんだか。」
今日一日、仕事をしながらも兵部の事ばかりを考えていた。会いたくて会いたくて…でも連絡の方法もなくて………
「……会いにこい、馬鹿野郎。」
「…誰が、馬鹿野郎なのかな?せっかくこうして会いにきたっていうのに…」
車の窓ガラスをノックする兵部がいて、僕は驚いていた。
「ど、どうして…?」
「さて、どうしてでしょう?」
いつものようにニヤニヤと笑い、僕の隣を指差した。
「そっち、乗っていいかな?」
「え?あ…うん…」
驚きすぎて、どう対応していいのかわからなくなっていて…あんなに会いたかったはずなのに…言葉が出ない……
「さて、皆本くん。どうして僕がこの場に現れたかって事だけど…君に呼ばれたからだよ。何度も何度も…ね。」
「つっ!」
兵部の言葉で顔に熱が集まる。
いつもの事だ…勝手に僕の心を読んで…でも…
「………今は、会いにきてくれて…嬉しいよ…」
赤いであろう顔をハンドルに寄りかかる事で隠しながら言う。そうでなければ素直になんて言えない…
「僕も、君に会えて嬉しいよ…実際、昨日の夜から君の心は受信してたしねv」
「じゅ、受信て…僕は電波発信元か…」
昨日の夜から兵部に会いたい気持ちが伝わっていたなんて…
「………でも、昨日から伝わっているなら何で今頃…?」
「ちょっと、じらしてみました。っていうのは冗談で、チルドレン達がいるのに夜の君の部屋になんていけないよ。」
苦笑いを浮かべる兵部に僕は疑問をぶつける。