■絶チルBL■

□◆独占欲という名の告白…(兵部×皆本)◆
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 いつものように部屋の掃除と洗濯をすませ、買い出しへと僕は出ていた。
 いつも買い出しをしているとこの駐車場に着くと、携帯の着信音が鳴る。見れば…賢木だ。
「どうしたんだ、賢木?」
『今暇か〜?ちょい会えない?』
「暇かって…確かに買い出しには出てるけど…何?電話じゃ駄目な話か?」
『まぁ…直の方がいいかな…』
「…わかった。どこにいけばいい?」
『んじゃ、俺んちでどう?』
 そう言われ、僕は賢木の家へと車を走らせていた。

「皆本〜会いたかったぜ〜v」
 ドアを開ければ、腕を広げた賢木が目に入る。だから僕は静かにドアを閉めた。
「…僕は冗談に付き合いにきたんじゃないんだけど?」
 もう一度開いたドアから見える賢木に、僕がニッコリ微笑みかけると、賢木は『ごめんなさい』…と、頭を下げた。
 ため息をつきつつ僕は賢木の部屋に入る。そしてリビングの椅子へと腰を下ろす。
「…で、話って?買い出しがまだだから、手短にしてもらえると助かるけど?」
「ん、まぁ…」
 言いにくそうに賢木は頬をかいた。そして僕の前に立つと、肩に手を置く。
「ずっと言えなかったんだが…俺…お前が好きなんだ。」
「……はぁっ?」
 賢木のいきなりの告白に、僕は驚きの声を出してしまう。
「じょ、冗談だろ?」
「冗談でお前に告白出来るほど、俺は人間出来てねぇよ…」
「いやいや、そういう問題じゃなく…」
 僕は賢木をそういう対象で見た事なんかない…ずっと…友達だったから…
「皆本…俺じゃ駄目か?」
「だ、だから!駄目とかの問題じゃなく…お前は友達で…」
「………兵部なら恋愛対象なのかよ?」
「なっ?何言って…」
 賢木の一言に僕は焦る。アイツを…兵部を…恋愛対象?そんな事僕は……
「…考えた事なかったか?俺から見れば…皆本、お前はいつも兵部を見てた。だけど、うまくいくはずないんだ…だってアイツは敵なんだぜ?だから俺と…」
 僕の肩に置かれた手に力がこもり、そのまま体が引き寄せられる。
「俺と付き合えよ、皆本…」
「ちょ、賢木っ!離せって…」
 ゆっくりと賢木の顔が傾き、僕に重なるように近付く。だから僕は思わず、アイツの名前を心の中で叫んでいた。

「そこまでだよ。ヤブ医者…」
 僕の体は、後ろに現れた兵部に引き寄せられ、賢木から離される。
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