Kurz

□Wahnidee〜妄想〜
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アンダーテイカーが寝込んでいる。



心配だワ!どうしようッ!このまま治らなかったら、アタシ生きていけないッ!!



なぁんて言うと思うでショ?


おあいにく様。そこいらのお尻の青い小娘と一緒にしないでチョウダイ。



こう見えても、執事時代に医学用語の基礎、看護の基礎は身に付けて、ダーリンのもとで解剖学や葬送儀式のノウハウも着々と身に付けてきてるんDEATH★


ああッ!才色兼備ってアタシのためにある言葉よネ!



だから、カレのお世話はバッチリこなせるワ。重病じゃないことも判断できる。最大の原因は過労。休養を取るのが何よりのクスリ。


アタシは死神派遣協会に欠勤届けを出した。有給をかなり使っちゃうコトになるけど、アタシにとってはこれ以上ない有意義な使い方ヨ。



誰にも文句は言わせない。看病も家事もお店の切り盛りも、アタシらしいやり方でこなしてみせるワ。カレと同じように、するのは無理だけど、これがアタシの愛の証なんDEATH★


だって、ほら…ンフ…


あのアンダーテイカーが、無防備に寝顔をさらしてるのヨ。

アタシの為すがままになっちゃってるのヨ!


こんな機会、数百年に一度しかないワ


今、カレの全ては、アタシのもの……な・の・ヨ★





眠っている首筋に、そっと指を這わせる。
まだ熱があるわネ。
もっと正確に測るには、もっと敏感なところで。


前髪をそぉっと掻き上げて、唇を押し当てる。

ああ、やっぱり熱いワ。氷で冷やした方がイイかしら。


そんなことを考えながら、至近距離でカレの睫毛を見る。



キレイ、よネ……


アタシと違ってノーメイクでこれなんですもの。更に、瞳が開いた輝きといったら、この世界すべてに未曾有のセンセーションを巻き起こすほどヨ!

アタシは、それに巻き込まれた非力なオンナ。このままずっと、逃れられないの。ずっと、ずぅっと……………







「〜〜〜!!!」



頭やら下半身やらに血液が集まってきて、アタシはガバッと立ち上がる。

マズイ。

病気のカレの寝顔を見て、こんなになってるなんて、乙女としてドウよ?


ああ、だけど……眠っていてさえ破壊的にムラムラさせるこの美貌……熱のせいで、普段は病的に白い肌が色づいていて、逆に生命の鼓動を感じさせる。



この肌が、アタシに触れたら……


「ち、ちょっとメイクを直してくるわネ。少しの間、一人でいてネ」


聞こえているはずもないのに声をかけて、部屋を出る。



しょうがないでショ!



アタシだって…若い肉体を持ってるんだから……



ホントは、そんなコト自分でしたくないわヨ。


何もかもカレの手で……く、唇の方が、もっと……


全身にくまなく愛の刻印を刻み込まれて、アタシの奥の奥まで内臓ごとわしづかみに……





「あぁーーもう駄目ッ!」



早いとこ処理して、それからお掃除しまショ。冷たい水をザッパザッパ使って、この火照りを冷やさなきゃ。



Endlos.



20110113

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