Gruen

□我らの赤い糸
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棺の上に二人並んで腰掛ける。
君は仕事で疲れているのか、こっくりこっくり船を漕ぐ。
黙ってその肩に手を添えて、小生の身体に寄りかからせれば、君も素直にそれに従って、ついに瞼を閉じてしまった。

せっかくだから思い切り君の匂いを堪能させてもらう。
君はいつもいい匂いがする。

長い髪を手にとって遊ぶ。
するするとよく滑る綺麗な赤い髪。あ、枝毛発見。


その毛先を見つめていて、ふといいことを思いついた。


(起きないでおくれよ)

君の目が覚めないように気をつけながら、小生は一人遊びを楽しむ。
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