Rot
□Ein Alptraum
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暗い部屋でグレルは跳ね起きた。
額にも背中にもびっしょり汗をかいて、ひどく気分が悪い。
「こんな夢を見るなんて…アタシ、疲れてるのかしら」
夜中だというのに再び眠りにつけそうにない。
時間をもて余したグレルは、ナイトガウンを羽織ってドアの外に出た。
葬儀屋の寝室のドアを開けるのは、何度目だろうか。
この店で寝起きするようになってかなり経つが、この部屋だけは何となく特別だ。
「君の方からここに入ってきたら夜這いだと解釈するよ」
「何よ、それーーっ!」
「やっぱり夜這いをかけるなら、小生からの方がいいだろう?」
「…っ…そっ…っ!」
「君の部屋に24時間出入りを許可してくれるかい?」
「ダ、ダメよ!絶対ダメ!!乙女の部屋に勝手に入るなんて!」
そんなやりとりがあってから、避けるともなしに葬儀屋の部屋には入らなかったのだが…
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