Rot

□Gedenktag〜記念日
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(マズイ、わ…)





まただ。最近、多すぎる。




葬儀屋はいつもダボダボした服を纏っているから体の線は一切見えない。

そのせいと、もちろん彼の持つ常人には真似難い「気」のせいもあってか、生々しい性の対象としては見づらいのだが…




いや。見づらかったのだが。




グレルは以前、一度だけその上半身を見たことがある。

細い体躯に見合った適度な筋肉に被われていて、痛々しい傷の縫い後さえも美しく見えるような。

前髪の奥に隠された顔は、今のところグレル以外に見た者の存在を知らない。一度見たら忘れられないその端正な容貌の印象を裏切らない、生身の上半身。


立ちあがったり、しゃがみ込んだりする時に。


服の内に隠されたそれを、嫌でも想像してしまう………




(アタシも健康な若いカラダを持ってる、ってことよネ…「男」の)


正直言って「男」の体はあまり好きになれないけれど、でも、葬儀屋のふとした動作に反応することを止められなくなってきたグレルである。






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