Rot

□Das Gemeine〜通俗
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死神派遣協会の食堂、通称メンザは、関係者が安く食事ができるよう配慮されている。

派遣員は駒であり商品なのだから、生かさず殺さずな程度に福利厚生も整えられているのだ。


そこでランチのフリカッセを弄びながらグレルが言う。




「ウィル〜あのネ…」


「何ですかグレル・サトクリフ。今、私は昼食を摂りながら読書中です。
私語なら食後に管理課棟に戻る道すがら、3分ばかり歩きますからその時にして下さい。
退勤後は駄目ですよ。プライベートまであなたに引っ掻き回されるのは断じて御免です」




ここまでまくしたてると。


これまでのグレルなら

「もうっ冷たい!」

「退勤後のプライベートをカワイイ同僚と分かち合って親睦を深めるのも大人には必須ヨ」

などと返してきたものだが。



今日のグレルは目を泳がせたまま、ボソッと言う。


「アンタ、エ○クトってする?」



「ふも゛っっ!」






ウィリアムは、かじっていたプレッツェルを喉につまらせ、死神生を受けて以来初めてであろう下品な声を発した。



「…はぁ?」



何とか気勢を立て直し、数秒間の努力の後にいつもの渋面を作り直して、ウィルが応える。


「公序良俗にもとるはしたないことを口にする元気があるなら、仕事を8倍にしてあげましょう」



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