Rot
□Eine Taeuschung
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「は……あ、ぁ…っ」
長い口付けから解放されて。
肩を揺らして酸素を取り込みながら感じるのは、寂しさと喪失感。
ああ、アタシの好きな舌の軟らかさ
バニラのくゆり
低い体温
硬い歯の感触
…アタシ、いつからこんなになっちゃったのかしら…
「あの時は、できなかったからね…」
グレルが初めて葬儀屋の指で達して。そのまま半ば意識を失っていて。やっと我に返ったら喚いて走り出して行ったから。
そんな言動はグレルのいつものことなのだが。
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