Rot

□Ein Alptraum
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(こんな時間だもの。ノックするのも悪いわよネ…)


もし眠り込んでいるようなら、起こさないで部屋に戻ろう。


そう考えながら、できるだけ音を立てないようにドアを開けるが、それでも古びた蝶番はうめきを上げる。



一歩足を踏み入れると。

異世界であるかのような感じを受けた。



(深海に呑み込まれる…)




不意に沸き上がったイメージを打ち消して、グレルは小声で呼び掛ける。


「アンダーテイカー…」


返事はない。


近寄ってみると、葬儀屋はいつもとは比べものにならない軽装でこちらに背中を向けて静かな寝息を立てている。
しばらくそれを見ていたグレルだが、たまらなくなって引き締まったその肩にしがみつく。


「…どうしたんだい?」

「あの…ごめんなさい。寝ているところに…」

「…熟睡してたよ…」


寝惚けた声を出しながら、葬儀屋は上半身を起こして中腰のグレルに向き直る。


「…どうしたんだい?」

「…ぁ…」




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