短編 夢&小説
□羊さんに牛さん
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「牛さん、牛さん」
黄土色の丸い角がついた
少女が黒髪に小さな銀色の角をもつ優しそうな少年を呼んだ
牛さん、と呼ばれた少年は少女の高い声のせいで
居眠りしていた時に
起こされ、まだ眠そうに目をこすった
「ふわぁぁ、どうしたんですか?羊さん」
一つ大きなあくびをして
背中を草原から離したら
牛の首に付いているベルの音が鳴った。
「いつ聞いても牛さんの
ベルは綺麗ですね」
夢を見ている様に目を閉じうっとりしている羊。
牛は少し嬉しくなり
首を動かし、羊にもう一度ベルの音を聞かせた。
「こう、ほわほわっと包まれたように…って大事な
ことを忘れてました!
丘に小さくて赤黒い花が
沢山あったんですよ!!
とっても綺麗でした♪」
楽しそうに話す羊の「丘」と言う言葉に牛は目の色を変えた
「…羊さん、丘の方には
狼が居るから行っては駄目とまえに言いましたよね?狼に見付かれば
食われますよ、そして
死んじゃいますよ。」
牛の目は本気で怒りも
入っている様だ
羊は牛を見て「いつもの
牛じゃないみたいで怖い」と思って謝った