vitamin-log

□For you!
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所狭しと積み上げられた大小様々なプレゼント。
いずれも色鮮やかな包装紙に包まれ、存在をアピールする。

衣笠は毎日何かしらのプレゼントは抱えて出勤していたが。
いつもの数倍以上にもなりそうなその光景に、悠里は目を丸くした。



「あ、おはようございます悠里先生」

「おはようございます…今日はいつにも増してすごい数ですね……」

「ああ、多分今日が僕の誕生日だからじゃないでしょうか」

「へえ、誕生……ええっ!?」

「おや、何か不思議ですか?」

「い、いえ別に……」



どう見ても20代にしか見えない、見目麗しい衣笠にも誕生日があり、歳を取る。
そんな当たり前のことに考えつかなかったのは、決して悠里だけのせいとは言い切れないだろう。



「あっ、それじゃあ私からも何か贈ります!」

「悠里先生から?」

「はい!いつも清春君のことでお世話になってますし」

「そんないいんですよ、気を使って頂かなくても」

「いえ、日頃の感謝も込めて贈りたいんです!何か欲しいものありますか?」

「欲しいもの……」

「何でもいいですよ」


「………何でも?」



イチオクターブ下がった声量に、悠里は慌てて付け加えた。



「あ、あまりにも高価なものは……」

「ものではないんですよ」

「え?」

「しかし貴女からじゃないと意味が有りません」

「……?」



頭上にハテナマークを飛ばす悠里に、聖帝の天使は極上の笑みを浮かべる。





「いただけますか?」





どうか貴女から。






end.
衣笠先生誕生日おめでとうございます!
 

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