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□星が見えない(sideK)
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この間までは。
本当に少し前までは確かに、お前はオレの隣にいたハズなのに。
なのに、どうして今は。
お前はナギの隣にいるんだ。
朝、アイツとナギが笑いながら何かを話していた。
何てことはない、ただの日常。
だけどソコに感じた微かな違和感。
コレと確信出来るほど明確じゃなく、頭の片隅に引っ掛かる程度の些細な変化。
例えるなら魚の骨が喉の奥に引っ掛かったような、そんな気持ちの悪い感覚。
どんなに考えても分からなくて結局はその時考えるのを止めてしまった。
気のせいだと半ば無理やり自分を納得させて。
お前は何だかんだ言いながらもいつもオレの傍に居た。
だから安心していたんだ。
コイツは多分オレと同じ気持ちで、オレを選んでくれていると。
言葉になんかしなくても、判ってると思ってた。
だってアイツは確かに、オレのことを見ていた。
アイツは気付いてなかったかもしれないけど、オレは知ってる。
そんなの、分かりやすすぎるアイツを見てればスグに気が付く。
その距離に安心して。その手をちゃんと繋ぎ止めておかなかった。
アイツが“教師”であることを考えていなかった。
そのことに気付いた時にはもう全ては手遅れで。
アイツは、他のヤツのモノになっていた。
end.