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□marriage+blue
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聖帝学園からバスで20分。
外装、内装とも白を基調としたお洒落なレストラン。
そこの少し大きめな個室に、悠里を含む聖帝学園の教師達が集まっていた。
ある者は酒のグラスをひっきりなしに空け、ある者はそれを咎め、またある者は既に出来上がっていたり。
一応は悠里と元教え子である風門寺悟郎の結婚祝いと銘打たれた飲み会だが。
蓋を開けてみればいつもと何ら変わらない飲み会の惨状。
敢えて違うところを挙げてみるとするなら、今日はただの居酒屋ではなく高級感溢れるVIPルームらしき個室を使用していると言うことぐらいだろうか。
……いや、それも十分凄い言えると思うのだけど。
「全く葛城君は羽目を外してばかりですねぇ」
「衣笠先生」
「今日は貴女の結婚前祝いだと言うのに」
「いえ、そんな…とても楽しませて頂いてます」
「ふふ、なら良いのですが」
「そういえば、あの…今日はいつもと場所が違うんですね」
「ああ、ほら今日は特別ですから」
「でもその……高いんじゃ?」
奢りとはいえこんな高級そうな場所、大丈夫なのかと。
恐る恐る窺う悠里に衣笠はニコリと笑った。
「心配なさらなくても此処の親切なオーナーさんにタダ同然で貸していただきましたので大丈夫ですよ」
「さ、さすが衣笠先生……」
衣笠はそれほどのことでは有りませんよと微笑んで、悠里のグラスにワインを注いだ。