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□Choose me!
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木枯らしに身体を震わせながらも、手にしっかりと補習プリントを抱えた悠里はバカサイユを目指していた。
B6から今日の補習はバカサイユがいい、との希望を受けたからだ。
ちょっと前なら、補習と言うだけで一目散に逃げ出していたとは思えない彼らの言葉。
悠里は目尻が熱くなる思いで、二つ返事を出した。
バカサイユに着き、ドアをノックしようとしたとき。
中から6人が何やら言い争っているような声が耳に届いた。
まさか、と思いつつもそうっとドアを開けると。
そこには睨み合って口論している6人の姿。
「Shit!ふざけるな、このオレに決まっている!」
「翼には悪いけど、俺、負ける気ないんだよな」
「何を戯言を…俺が一番に決まっているだろう」
「ゴロちゃんだって負けないもんねーっだ!!」
「ハッ、オレ様に張り合おうなんて百年早いンじゃねェの?」
「………僕」
普段は喧嘩を諫める立場にいる一や眠っているだけの瑞希まで参加している。
話の内容はさっぱり分からないが、とにかく止めなくてはと悠里は6人の中に割り込んだ。