企画
□君の好きなとこ
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君の好きなとこ<一編>
もう自分でもどうしようもないほど荒れていた。
あの事件から、いつも何かが足りなくてイライラして。
それを埋めるためにケンカしたって満足するのはその一瞬。
終わった後の空虚感にまたイライラしてケンカを繰り返す。
一生俺はこんななのかな
そうぼんやり思ってた
だけどさ、
「一君、喧嘩なんか駄目!!」
「補習しましょう?それが絶対君の為になるわ」
「私の生徒を悪く言うのは許さないわ!」
もうさ、ホントあんた一体何なんだよって思った。
出会ったばかりでしかも問題児な俺にあんなに一生懸命でさ。
傷つけたことだって、たくさんあっただろうに。
『私は、私の知ってる一君を信じる』
俺はさ、
その言葉に救われたんだ、先生
(いつだって俺を信じていてくれたその想いに)