企画
□君の好きなとこ
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君の好きなとこ<翼編>
ずっと“真壁”の名が嫌いだった。
この身体に流れる“真壁”の血が大嫌いだった。
みんなオレでなく、『真壁翼』に近付いてくる。
親父に取り入ろうと媚びへつらう大人どもにも
金で簡単に動かせる教師どもにも
正直、ウンザリだった
なのに――――
「コラ、翼君!補習の時間でしょう」
「宝石もバッグもいらないから真面目に補習に出てほしいわ」
「ね、一緒に文化祭の飾りを作りましょう?」
担任は一度だってオレを“真壁翼”として接しなかった。
ただの“翼”として、一生徒として笑ってくれた。
それがどれだけ嬉しかったか。
『もう、翼君!』
オレが、
一番最初にお前に惹かれたのは
(いつだってオレを真っ直ぐに映し出してくれるその瞳)