03/24の日記

23:49
壊れてしまった(小話)
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人形主で誰か




哀がわからないから喜がわからない。
喜がわからないから楽がわからない。
楽がわからないから努もわからない。

常に心は一定だ。

「……、」

なんだか胸か腹か頭か喉か
痛いのか痒いのか吐きそうなのか
わからない

こんなにも長い間の苦しみは初めてでどうしたらいいかわからない。

主様、故障でしょうか。
俺はこのまま朽ちるのでしょうか。朽ちることができないのではなかったのですか。

「暁、どうかしたのか?」

貴方の声を聞くのが苦しいです。
でも傍にいれないのはもっと苦しいです。
どっちにしろ苦しいです。
でも、嫌な気分ではありません。
苦しいのは、嫌なはずなのに。やっぱりおかしいです。故障です。

「壊れた」
「何が!?」
「俺、故障中」
「…は?」

辛いです苦しいです。
貴方の傍にいると貴方を映す目が熱いです。
故障でしょうか。視界が霞みます。
空は晴天なのに地面が色を変えました。
狐の嫁入りでしょうか。

「故障、した」

俺のデータが、貴方のことしか考えない。
ああ、これはきっと。

「ウィルス、だ」

深刻なエラーが発生。深刻なエラーが発生。

俺は貴方に侵蝕されている。

「――の、せい」
「俺!?」

こんなの、知らない。
暖かいのは貴方の隣だけなのに
苦しめるのも、貴方の隣なのです。

貴方が俺を壊したのだ。
直してくれるまで離してやることができません。

「はやく、直して」

貴方のせいで俺は





大好きが溢れた
(波が俺の平常を浚うの)

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