10/29の日記

21:55
境界線小ねた
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境界線EDその後
紫苑と聡史はくっついたあと









愛花が羨ましかった。
普通の女の子で、普通に笑えるところが俺には羨ましかった。

男として生きた自分に後悔はない。
努力をしてきた甲斐あって普通では成せぬことも成してきた。
友達や先輩に頼られるのも気分は悪くない。

だが、恋人の前で普通に笑うことさえ出来ない自分に、嫌気が差した。

「伊勢先輩に、き、キス迫られて」
「照れてパニック起こして」
「膝蹴りからの踵落としを極めてきたぁ〜?」

愛花、大門、観月からの声に気まずげに頷く。
因みにここは生徒会執行部一年支部室。

突然来て仕事の鬼のように作業していた紫苑に尋ねたところそうかえってきた。
仕事はほとんど終えている。

紫苑を見ると落ち込んでいるのだろう、暗いオーラが漂っていた。

「もう少し可愛げのある性格になりたい…」

切実なその言葉に3人は目を見開いた。

「八神でもそう思うんだね…」
「わからないでもないわ、その気持ち」
「私は好きだよ?」

大門は苦笑し女二人で紫苑の頭を撫でる。
やめろと言わないあたりそうとう弱っている。

「てゆーかアンタはまず格好改めてなさいよ。それだけでかなり違うと思うけど?」
「今更だろう…というよりスカート心もと無さすぎる。俺にパンチラしろと。誰得だ。そんな羞恥プレイ断固拒否する」
「お弁当でも作ってあげたら?紫苑くんのお弁当美味しいもの」
「既にやった(聡史が欲しいと言ったから)」
「あらら」

案外甲斐甲斐しいなと思いつつ苦笑する。
すると大門が真面目くさった顔をし口を開いた。

「八神は可愛いと思うよ」
「……は?」

その問題発言に間抜けな声をだす。
愛花、観月も目を見開いている。

「だってなんだかんだで世話焼いてくれるし誉めると照れるしそうやってしょんぼりなんかして…うん可愛い。あとお茶美味しいし」
「なっ、何を!」
「ほら、そういうところ。可愛いと思うよ?それに伊勢先輩だってそういう八神のこと好きになったんだろう?自信もてば?」
「う、」

大門の言葉に紫苑は顔を真っ赤にして黙りこむ。
うっすら涙が滲んで唸る姿は確かに可愛い。
愛花と観月は思わず紫苑を抱きしめた。

「そーよ!十分可愛いわよ。苛めたくなるくらいには」
「自信持っていいよ!それでも気になるんだったら、もう少し素直になってみたら?」
「素直に…?」
「うん、紫苑くん意地っ張りだもん。もう少し伊勢先輩に頼っていいと思うよ」
「……」
「ね?」

あやすような、諭すようなその声に紫苑はゆっくり頷いた。

茶を汲んでくるそそそくさ逃げた紫苑の背に3人は生暖かな視線を送った。

「ところで大門、さっきのどこまで本気?」
「最後まで本音だったけど?」
「うわぁ…」

伊勢先輩うかうかしてられないのではを二人は思った。



後日、再び仕事の鬼と化していた。
紫苑に理由を尋ねると

「自分から手を繋いだら熱があるのか疑われたあげく気味悪がられた」

「…八神、伊勢先輩やめて僕にしない?」
「……ちょっと考える……」
「ほんっと乙女心わかってないわね!これだから男ってのは…!紫苑は悪くないわ、頑張ったもの!」
「宇和井先輩、ハルカ先輩、今お時間大丈夫ですか?」

この後聡史はフルボッコにされたとか…









コンセプトは乙女な(笑)紫苑
ぶっちゃけ大門絡みのほうが甘くなる

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