07/14の日記
20:43
柳梅あせび(13)がるろ剣世界で頑張る(小ネタ)
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タイトルまんま。
ちなみにあせびさんのスペック・設定としては
・13歳、身長は薫より低く、弥彦よりは辛うじて高い
・基本武器は鎖鎌と懐剣
・変装、変声ができる(但し体格は変わらない)
・忍者
・拒食症(結構ガリガリ)
・恵さんが医者の片腕してた頃に何故かぼろぼろのあせびを拾い、そのまま世話に。
が、恵が観柳の下へ行く際無理矢理私兵団に。
会うことは基本的に禁じられていたが、ある日目を盗んで共に逃げる、という所から
ちなみに原作どっかいったので台詞あやふやでござる
女はからんころん忙しなく下駄をならしながら、子供は足音たてず整った道を走る。
だが男子の左腕からは血が滴り、逃げども印が残る。
腕のそれは銃創で、貫通しているだけ幸いといえた。
だがこの腕では得意の鎖鎌が扱えない。
後ろからつんざく罵声に男子は舌打ちし、棒手裏剣を構えた。
「恵さん、ここは己が道を拓きます。だから、」
「駄目。あせびも一緒に逃げるのよ」
女──恵にぴしゃりと断られて男子──あせびは困り、眉を下げた。
「……ですが、己はもう、役に立てそうでは」
「役に立たせる為に連れ出したんじゃないわ!早くなさい!!」
恵はぐい、とあせびの細すぎる手首を掴みまた走りだす。
引かれたあせびはなんともいえない感情に、何かが喉元にせりあがってきた。
次の曲がり角を行き、撒こうとした、ら
「おおっと!」
「!」
向かいから周りこまれ、挟み撃ちにされる。
さてどうするか、とあせびが武器に手を伸ばそうとして──恵があせびの腕を掴み、家の中へ逃げこんだ。
「恵さ」
「駄目よ。何度も言わせないで!」
恵が勢いよく戸をスライドさせる。
中では賭博をやっていたらしく、大半が人相悪い。
なんだなんだと注目されるなか、恵は赤い髪をした、頬に十字傷のある人の良さそうな剣客の胸へ飛びこんだ。
「め、恵さん!?」
「お願いします助けてください!」
「おろ?」
形振り構わずにすがる恵に少しばかり焦る。
と、そこへ追ってきた表向きに男三人が怒声をあげながら近付いてきた。
これはまずい、とあせびは棒手裏剣を3本、横打する。
一人の足腕に当たり、一本だけ壁刺さる。
体力の限界からか、精度が落ちている。
残り二人をどうするかと懐剣を乱暴に抜き鞘が床に転がる。
こんな男どもはどうにでもなる。
だが、この男どもを切り抜けた後が問題だ。
血が足りていない。
目が霞む。
呼吸が不規則になる。
どうしたら、どうすれば。
「後は拙者らに任せるでござるよ。その怪我、手当てしてもらうでござる」
柔らかな声とぽん、と右肩に感じた温もりにハッとなり勢いよく顔を上げる。
にっ、と一見頼り無さそうな、状況に反した笑みに、力が抜けそうになる。
が、そこを堪え、ぐ、と歯を食い縛る。
「いえ、これしき問題ありません。どうぞ、お気になさらずお逃げください」
肩の腕を払い、なるべく感情が表に出ぬよう、だが最後だけ本気で言う。
こうすれば大抵の者はひく。
攻撃にまわる為、床を蹴った、その時だった。
「あい待った」
「ふぐっ!?」
襟を掴まれ、首がしまりひきつった妙な声が漏れる。
その剣客は大抵の者と違ったらしい。
恨みがましく睨むとまたあの頼り無さそうな笑み。
「怪我人は大人しくしてるでござるよ」
無理矢理後ろに下げられ困惑に懐剣を落としそうになる。
「ぇえー……。恵さん、どうするんですかこれ」
「いいじゃない。止血するからいらっしゃい」
「畜生しれっとしてやがる」
「なんとでも言ってなさい」
本当にイイ性格してるな、と溜め息を吐く。
恵は自らの手拭いを裂き、あせびの患部に巻いていく。
その後はあっという間だった。
剣客の友人らしき鳥頭長身男とすんなり倒してしまった。
危惧していた御庭番衆も片してしまい、少しばかり自信を無くした。
それを見た恵は目を細め、剣客ともう一人、鳥頭の長身男に声をかけた。
「ふーん、なかなかやるじゃない。特に剣客さんの方最強っぽい。どう?私達を逃がしてくれない?」
「ちょっ」
「報酬は十分払うわ」
「恵さん!!」
報酬が何を指すか察し、声をあげる。
煩わしそうな目に眉を吊り上げる。
「何よ。いいじゃない」
「よくありません!大体賭博してるような者に録な者はいませんよ!!」
「助けてくれたじゃない」
「そりゃ自衛の為もありますからね!成り行きに決まってるでしょう!!」
「貴方、本当に疑い深いわねぇ」
「誉め言葉ですね」
あきれたような声に鼻をならしそっぽを向く。
決して拗ねたわけでは、ない。
すると鳥頭長身男が怒りを露にしながら恵の手首を掴んだ。
「報酬云々の前に状況説明のが先だろうが!!こっちはダチ二人怪我してんだぞ!!」
「痛っ」
相当な力で掴んだらしく、恵は痛みに顔を歪めた。
それを見たあせびは即座に懐剣を鳥頭長身男の喉元に突き付けた。
「……なんでぇ」
「その手、離していただきたく」
「左之、」
「チッ!」
「あ!」
殺気を込めて睨むのと、剣客の宥めるような声に盛大な舌打ちをしつつ乱暴に恵の腕を離す。
すると、恵の袖からぽろり、あるものが落ちた。
それに恵とあせびはマズイ、と息を飲む。
剣客がそれを拾いあげ、中身を開けた。
「もしや報酬とは阿片(これ)のことでござろうか」
「なにっ!?」
「「……」」
恵は口を閉ざし、あせびはどうするか、と思案する。
だがその途中、ぐらり視界が曲がり足元の力が抜けた。
「あせび!」
「っ、大、丈夫、です」
辛うじて絞り出した声を無視し、恵はあせびの額に手を当てた。
「傷による発熱よ。大人しくしなさい」
「大丈夫、大丈夫ですから」
「ちっとも大丈夫ではないでござるよ」
突然の浮遊感に一瞬意識がクリアになる。
剣客の胸に体を預けてしまっているということは横抱きにされているのであろう。
あせびは右腕で剣客の胸を押す。
が、それはあまり効果をなさない。
せめて睨むと、剣客こと剣心はまた笑った。
「今は休むでござるよ。大丈夫、拙者らは危害を加えぬでござる」
「っ……」
口ではなんとだって言える。
なんとかもがこうとすると、恵があせびの目を手のひらで覆った。
「めぐ、」
「ここまで守ってくれてありがとう。もう大丈夫だから、少し休みなさい、ね?」
「、」
意思とは裏腹に意識が沈んでいく。
嫌だ、もしもがあったら、己は。
首をふると、盛大な溜め息が聞こえた。
そして、頭に痛い温もり。
これは、鳥頭長身男こと、左之助のだ。
「別に女もお前もとってくったりしねーよ。さっさと寝ちまえ」
「……ぜったい?」
「おう」
本当はもうかなりの限界で。
迫りくる眠気に今度は足掻くことなく、身を預けた。
「……寝たでござるな」
「ええ」
少しばかり重くなった身体と規則正しくなった呼吸音に良かったと恵はほっ、と息を吐く。
剣心は彼の身体に似合わぬ軽さに、眉をしかめた。
「このあせびという童、些か軽すぎるでござる。一体どういう暮らしを……」
心配に満ちた声に恵はそっと目を伏せる。
優しく、あせびの頭をなぜた。
「……その子ね、拒食症なの。かれこれ三年以上の付き合いだけど、なかなかね。でも、これでもいろいろマシになったのよ……」
「警戒心が強すぎるってのも考えもんだな」
「困ったでござるなぁ」
それでは回復が遅くなってしまう、と溜め息を吐く。
まあとりあえず。
「移動するでござるよ」
積もりに積もる話は、それからだと彼を抱えなおした。
一番書きたいところが書けなかったでござる
てか連載向けにも程がある
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