09/06の日記

02:57
異界の紫苑、初めての房中術(R18)
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また懲りずに異界の紫苑(♂)ネタ

R18
立花仙蔵はろくでもない人間です











忍術の一つに房中術というものがある。
ざっくりいってしまえば男女の営みであり、それによる快楽を利用する術だ。

身体を使い情報を手に入れたりするに有効な手段ともいえよう。

さらに、世には衆道、男色といった男同士でまぐわうのを好む人種もいる。
よって、男を受け入れられるよう慣らす為の授業がある。

が、それは上級生の話であったはずだ。

宿題だと教師から手渡された紙を呆然と眺める。
紫苑はかつてない焦燥感に見舞われていた。

――三年い組、異界の紫苑
右記の者は上級生に房中術を仕掛けること
尚、相手は指定しないものとする


期限は3日以内、行うのは女役、と書かれており、そこまで読むと紫苑は卒倒したくなった。

確かに、使えた方が便利だろう。
紫苑はおつかいを頻繁に受けているし、これができるようになれば任務の幅が広がる。
だからといって、この仕打ちはあんまりじゃないだろうか。

(……図書室、行こう)

だが課題は拒否できるものではない。
ただでさえ肩身が狭い身なのだ。そう文句も言ってられない。

とりあえず、やり方を学ばなければ。
とても思い足取りで紫苑は図書室に向かった。






そして期限の日はあっという間に迎える。
紫苑は頭を抱えて唸る。
やり方も本で知識としては理解したし、軟膏や香油も手に入れた。
が、問題は相手なのだ。

指定は上級生。
つまり四年生以上。

浮かぶ面子を考えてみた。

まず、委員会の先輩。
六年生の七松小平太を考え、首を振る。
何せ彼は暴君と謳われ更に体感している通り体力馬鹿。身が持つわけがない。
次に平滝夜叉丸。彼に至っては事をいたす前に持ち前の自慢話で一夜過ぎてしまうし何よりも癪だ。

親しい先輩といえば潮江文次郎だが、流石にこれを頼むのは気が引ける。散々弱味を見せているのに、これ以上は吟持が赦さなかった。
鉢屋三郎はもう、後が怖い。ただでさえ悪戯好きだというのにこんなこと頼んだらどうなるか。

不破雷蔵、善法寺伊作、食満留三郎、それなりに親しい者を浮かべるがどうしてもピンとこない。

時刻は夕方に差し掛かりとりあえず身を清め、教科書通りに腹の中も洗う。

先日洗ったばかりの寝間着を纏い、紫苑は腹を決める。
どすどすと忍らしからぬ足音を立て、消去法で選んだかの先輩の自室の前で足を止めた。
深呼吸を一つ。
六年い組の長屋に手を掛けた。

「夜分に失礼。三年い組異界の紫苑、入ります」

返事を待たず一思いにに戸をスライドさせる。
スパンっと勢い良く空いたその部屋の中にいたのは、六年い組作法委員長、立花仙蔵のみだった。

急な来訪に仙蔵は眉をしかめており、紫苑はそういえば仙蔵が文次郎の同室だったことを思い出した。

「騒々しいと思ったら異界のか。返事を待たず先輩の部屋を開けるとは何事だ。ん?」
「……申し訳ありません。その、潮江先輩はどちらに」
「なんだ、文次郎に用か?アイツは鍛練に行ったが。おそらく夜の間は帰ってこんぞ」
「…………そう、でしたか」

仙蔵の返しに紫苑は参ったと云わんばかりに頭を掻く。
その際、袂から課題の紙がヒラリと踊り落ち、仙蔵の元に滑りこんだ。

「あっ」
「うん?」

仙蔵はその紙を手にし、中を開く。
紫苑はあからさまにしまった、という反応をすると、仙蔵はニヤリと怪しい笑みを浮かべた。

「……なるほど?お前は文次郎に夜這いしに来たわけか」

人聞きの悪い言葉に紫苑はカッと顔を赤く染める。
仙蔵から課題の紙をひったくると彼はそれはそれは愉しそうに笑う。

「夜這いなど、断じて違います!ただ、課題にご助力いただけないか聞きにきただけです!!失礼しました!!」
「まあ待て」

捲し立て退室しようとする紫苑の腕を仙蔵は引寄せ、胸元へ雪崩れこませる。
時間がないこともあり紫苑は苛立ちをぶつけるが如く仙蔵を睨みつける。
それを見た仙蔵はより深く笑みを作った。

「その課題、私が手伝ってやろう」
「、は?」
「相手の指定はないのだろう?まさか優秀なお前が課題をこなさぬ訳がないしな?」

突然の提案に紫苑は視線をさ迷わせる。
時間もない、相手もいない。そして課題ができないなど紫苑にとって屈辱でしかない。
だがよく知らないこの仙蔵に身を開くのは少しばかり躊躇する。

頭の中で天秤が揺れ、らしくもなく迷う。

ぐるぐるしている紫苑の耳に息を吹き掛ける。
ざわりと背筋に悪寒が走り、紫苑は身を竦めた。

「なぁに、痛いことはせんし証言以外で誰にも云わん。同じい組のよしみだ。それくらい付き合ってやるさ」

毒を吹き込むように耳たぶを舐めながら言葉を紡ぐ。
指はつつ、と顔の輪郭をなぞり親指だけ唇を掠める。
ざわざわを迫り来る未知の感覚に紫苑を震える。

「う、ぁ、立花先輩…」
「こら、衾で名字とは野暮だぞ。仙蔵と、呼んで欲しいものだな」
「っ、」

べろり、首筋を舐める。
血管のあるそこに軽く歯を立てられピクッと肩が跳ねる。
・・・・・・
そういうことをされかけたことはあるが、全て未遂だった。
全力で逃げてきたそれを頼まなければいけない状況に正常な判断が出来なくなる。
後ろでは麗しい先輩が蛇の如く喰らわんとしてくる。

これは課題だ。
自分に言い聞かせ紫苑は一度呻いてからうつむいた。

「………します」
「なんだ?聞こえんぞ」
「…お願い、します。せんぞうせんぱい」

震える声で懇願すると、仙蔵はにんまり、それはそれは愉快そうに笑った。

「あいわかった。さぁ、此方においで」

もう休むつもりだったのだろう、敷いてある布団の方に言われるがまま移動する。
どうしていいかさっぱりわからずとりあえず正座すると仙蔵は吹き出しころころと笑う。
なんとなく馬鹿にされた気になり、紫苑はムッと顔をしかめた。
すると仙蔵は収まらない笑いを堪えつつ軽い謝罪をする。

「すまんすまん。だがこれからするのに正座とは、いやはや情交は初めてか」
「……体験するのは、そうですね」

くつくつと喉奥で笑っている仙蔵を睨みつつ答える。すると彼は一つ頷いて紫苑の髪をなぜる。
宥めるような仕草にどうしたらいいか身動ぎした。

「そうか。口吸いは?」
「、ありません」
「ほう。自慰は?」
「……何分、まだ未発達なもので」
「……ほう?」

遠回しにまだ精通がまだなことを伝えると仙蔵は神妙な顔をする。
やはり問題あるのかと黙って待っていると、気付いた仙蔵が軽く二、三度頭をなぜる。

「いやなに、おかしいことではないさ。ただ、よくそれで先生方が課題だしたなと思っただけだ」
「任務の幅が広がるからでしょう」
「……そうだな」

淡々と答えた紫苑に何か思ったのか苦笑する仙蔵に首を傾げる。
そんな紫苑の髪を流す様に後ろに払い、ぐっと顔を近付けた。
反射的に引こうとする紫苑の後頭部に手を回しこら、と叱咤した。

「目を閉じろ」

紫苑は言われて固く目を瞑る。
唇が触れる感触に歯を噛み締めるとぬるりと舌が唇を這う。

「口は開けろ」
「、はぃ」
「そう…いい子だ」

歯列をなぞったあとに上顎を擦られ、舌を絡めとられる。ぞわぞわといいようのない感覚が背筋を這い上がる。
なんとか逃げたくて後ろ手を着くが後頭部に添えられた手はそれ以上下がることを許してくれない。
口内からは唾液が溢れだらしなく顎を伝った。

「っは、ぅ、ぅ」
「思ったよりイイ顔するじゃないか。文次郎ももったいないことをする」
「んっ!」

するりと帯をほどき胸に手を当てる。
後ろに反ってしたせいでまるで見せ付けるような格好をしている自分に恥じ顔をより赤くしていると仙蔵はクスクス笑った後淡い色の乳頭に吸い付いた。

「っひ、そんな意味ないとこ、」
「、そうか?好く奴もいるんだがな」
「俺は、早く終わらせたい、っです」
「そういうな。楽しむのもコツだぞ」

左は舌で、右は指先でつねるようになぶられる。
更に膝で局部を刺激され、じんわりと確実に下半身に熱が集まる。

楽しむも何も、こういった行為には嫌悪すら感じるのだ。
逃げ出さないことに精一杯で、自ら望むなどとんでもないことだと思った。

指先で舌で膝で刺激され漏れでてくる吐息が、声が恥ずかしくて人差し指を曲げ第二関節辺りにかじる。
歯痕が残るほど噛むと痛みが正気を繋いでくれる感覚に陥り、血が滲むほど歯を突き立てる。

するとそれに気付いた仙蔵が指を口から外させ、それをそのまま優しく舐めた。

「コラ。得意の剣が握れなくなるだろう」
「っあ、うぅ、仙蔵せんぱい、弄るの、やめてください」
「何を言うか。まだ弄ると言うほど触ってないぞ。ああ、でも固くなってきているじゃないか」

感じやすいな?と意地悪く言いつつ下帯を外されるとまだ未熟と言える性器が頭をもたげていた。
毛が生えてもいないのに勃起しているところを見るとひどく倒錯的で仙蔵は舌なめずりをする。

一方紫苑は形を変えている自身を初めて見、自分でないような、けれど燻っている熱は確かに自分のモノで、羞恥と熱で泣きそうになる。

「紫苑、油持ってるか?」
「え、あ、ああ、はい。香油と軟膏なら、」
「貸しなさい」

言われるがまま袂から香油と軟膏を出し手渡すと、目尻に一つ口付けを落とされた後、身体を倒される。
仙蔵は軟膏の方を指に山ができるほど掬い、足を割って軟膏のついた指で秘所をつつく。
何をされるか理解した紫苑が慌てて起き上がろうとするが容易く仙蔵に阻まれる。

「っや、自分で!自分でやりますから!!離せっ、見るなぁ!」
「ふむ、それも面白そうだが私がやった方が早い。大人しく、力抜け」
「ひぐっ、ふ、ぅう」

皺の一つ一つに塗り込むように括約筋を刺激され、腰を引くが抑えられそれも出来ない。

「どれ、此方も構ってやろう」
「え、いいですっ!もういやだ…っあ!」
「ん、泣き言をいうな」

裏筋にぬるりと舌が這う。そこから亀頭を舌で弾き、尿道を抉られる。
感じたことのない感覚に身を震わせていると、今度はつぷりと孔に指が侵入してきた。

「っヒ!ぃ、あ゙」
「痛いか?」
「きもちわるい、」
「大丈夫だな」
「どこがっ」

迫りくる寒気を訴えても仙蔵は手を止める気がない。
ぐずぐずと鼻を鳴らしても手も口も止まる気がない。
下半身が熱を伴いずっしりと重い。
初めて尽くしでどうしたらいいかわからずに嬌声を耐える。
そうこうしている内に指が増え、菊門を広げられたり中を擦られたりされより寒気が増す。

「ぁ、ぃ、ぃあ゙っ!」
「ん?ここか?」
「ぁああ゙!!やだっ、へん!やだぁっ」
「変じゃなくてイイんだろう。ははっ、足も腰もガクガク震えているぞ?」
「ひぐっ、ぅぁ、あーっ!」

執拗にそこばかり擦られ、仙蔵の言う通り腰も足も痙攣をおこしている。
止めと云わんばかりに局部を口内に含まれ、吸われ、なぶられ、今までにない感覚に紫苑は目を見開き身を捩る。
苦しいほどの快楽は毒でしかなく、ぼろぼろと涙が零れる。

「やだっ、やめろ、何かくるっ、ぅうう!」
「ああ、出してしまえ」
「あ゙、ぅう、やっ、〜〜〜っっ!!」
「……ん?」

一段と大きく痙攣をおこし、あらぬところを見ている紫苑を見る限り、達しているのだろう。
口内から逸物を離すとその刺激でまた身体が跳ねる。
少しばかりしょっぱいだけで精液独自の青臭さがない。
試しに掌に垂らしてみるがやはり唾液ばかりだ。
ピクピクと余韻に浸っている紫苑を見て、納得したように頷いた。

「成る程、本当に精通していないのだな。初めてで空イキとは恐れ入る」
「は、ぁ、……」
「……とんでしまっているな。仕方ない、そのままおやすみ」

ふわふわとした意識で優しく頭を撫でられ、紫苑は瞼をおろす。
倦怠感から動く気など全くおこらなかった。

それを見た仙蔵はくつくつと喉奥で笑う。

「なぁに、私は優しいからな。補習位付き合ってやるさ」





後日、課題の再提出に顔を真っ青にしている紫苑の後ろに、立花仙蔵が笑っていた。

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