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□桜吹雪
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……親父……
『…花道…な、何だその頭は…』
花道と言ったその男は二日ぶりに帰って来た息子の頭を見て驚いた。花道は驚いている父の顔をチラッと見次に何を言われるかビクビクしていたが…
『ブハ―ッハハハッ!!』
いきなり大声で笑い出した父のに花道はビックリした。滅多に怒ることの無父だが流石にこんなナリになったのはクルだろうなと思っていたけど…。
父は目に涙を溜めながら腹を抱えて笑っていた。その姿を見て花道はこんな髪にしたことを恥ずかしく思い後悔したのであった。洋平達に唆され只目立つからとゆうだけで髪を赤く染め、今時リーゼントをしたのである。しかし父のその姿を見て“やり過ぎ?”と思い初めていた。
『なっ何もそこまで笑うことないだろ親父!!』
なかなか笑い止まない父に怒鳴ってみたものの、髪と同じくらいに顔を真っ赤にした息子を見てまたしても大笑い。
『も、もうイイ…』
そう言って花道はホッペを膨らませソッポを向いてしまった。
『ス、スマン…いや、似合ってるぞ、その赤はお前そのものだ。それなら何処に居ても直ぐ見つけることが出来るな』
そう言った父は優しく微笑みながら花道の頭をガシガシ撫で回した。力強く乱暴な掌が花道にはとても優しくって、何か子供扱いされている気になってしかたがなかった。…でも、その掌はもう此処にはなくて…。