book

□X'mas present.
2ページ/15ページ

「ちょっと,紅葉くん…いい加減私の名前覚えなさいよ…」

「あっ,彩子さん!」

お客さんは高校のバスケ部でお世話になったマネージャーの彩子さん…。

「久しぶり〜桜木花道!あんたの息子相変わらずね〜」

高校時代からお世話になって今もお世話になってるから頭が上がらない…。
彩子さんがいなかったら俺は今の生活はなかったと言っても過言ではない。
そのくらい彩子さんには助けられたのだ。

「どうしたんですか?」

「なぁに,迷惑なの?」

「め,めっ滅相もございません!」

逆らえない,逆らったらどうなるか…!

「冗談よ,唯貴方に言いたい事があって来たのよ」

「…何っすか?」

彩子さんが真面目な顔になり緊張の含んだ声になる。
それで俺も真面目に聞く体制をとった。


「桜木花道…よく聞きなさい」

彩子さんは少し躊躇いがちに瞳をさ迷わせていたけど,意を決したように言った。

「流川こっちに帰って来てるわよ」

!!?

ルカワが…………。

日本に………?

「私もビックリしたわ…流川,あんたを探しているって…ずっと探していたって言ってたわ」


知っていた…。
ルカワが俺を探してたことを…。

でも今までルカワに会う事がなかったのは,誰も俺の事をルカワに言わなかったからだ。
何度も
"これでイイのか"
と言われたし
"流川と会ってやれ"
とも言われたが俺の意志は変わらなかった。
あいつには何の柵も無くバスケに専念してほしいから…。

ルカワの妨げになるものは俺でさえ許せない。


でも…揺るぎそうになる…。

俺を呼ぶ声が聞きたくて,俺にしか見せない顔が見たくて…抱きしめてほしくて。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ