Poke-mon
□俺と兄貴とギンガのアレと
1ページ/3ページ
噂だがあの各地で暗躍していたらしいギンガ団が壊滅したらしい
「……まぁ、俺には関係のないことだがな」
兄貴はその連中と遭遇したらしいが俺の方はそんな連中を見掛けたことすらなかったし関わったこともなかった
だからトバリシティを歩いている途中街角のスクリーンでやっていたシンオウナウでそのニュースが流れているのを観てもイマイチぴんとこなかった
まぁ暗躍という程だから大半はそんな感じなのだろう。今歩いている街中も至っていつもと変わりない
そんな日常………のはずだった
「兄貴、今帰った……」
いつものようにインターフォンも鳴らさずに家に入り、リビングへと続く扉を開けた時、俺は一瞬家を間違えたかと本気で思った
「し、シンジ…?!あ、お、おかえり…」
「む…?知り合いか、育て屋」
「俺の弟だよ……ってちょ…手!駄目!」
「…………」
…兄貴、何だその素敵ファッション野郎は
そしてどうしてそんなに顔近付けてるんだ?!
俺のアポなし帰宅にあわあわしている兄貴とは裏腹にふてぶてしい態度丸出しのその男は弟と紹介された俺のことをじろじろとまるで値踏みでもするかのように凝視してきた
何だか非常に不愉快窮まりない
「…兄貴、なんだそいつは」
「シンジ、あのね、彼はね…」
「私はサターン。現在ギンガ団総帥代理をしている者だ」
「ギンガ団…?」
先程聞いたばかりの名前だから知らないということはない
だが、今まで見たことも遭遇したこともない胡散臭い集団の……よりにもよって総帥?
こいつのオツムの中は大丈夫だろうか?
「トバリシティとハクタイシティに我等が拠点としているビルがある。…まぁ信じる信じないはそちらの勝手だが」
「俺は元々ギンガ団なんぞに興味はない。…だが、そんな奴が何故兄貴と一緒にいる?ついでに言うなら兄貴から離れろ。その薄汚い手で兄貴に触れるな」
「………」
「………」
ぶつかり合う視線で俺は本能的に悟る
こいつは……敵だ!
尤も、そう思っているのは向こうも同じらしく、無表情そうに見えるが眼光が鋭くこちらを睨みつけている
「……あ、いけない。ポケモン達に御飯あげなきゃ」
重々しい沈黙に耐え兼ねてか、ふと時計を見た兄貴が慌ててソファーから立ち上がる
そうして兄貴が部屋から出ていくと重々しい空気がより一層重くなるのを感じた
.