Poke-mon
□俺と兄貴とギンガのアレと
3ページ/3ページ
結局、ポケモンバトルで勝負がつかず(三対三で相打ちだった)口論、そして殴り合いにまで発展したところで漸く兄貴に止められて今に至る
流石に二人の間に割って入るのは兄貴にも骨だったのか、最後は兄貴の手持ちのビーダルの秘密の力で眠らされた揚句目覚まし代わりにビンタされた
「まったく…二人とも喧嘩なんかしたらダメだろう?」
「「こいつが悪い」」
「……(同族嫌悪…かな?)」
兄貴が苦笑しながら俺達の手当てをしてくれる
消毒液が滲みるのはまだ怒っているのだという彼の無言の訴えなのだろう
痛みに顔をしかめると兄貴が諭すように「二人とも仲良くね」と言った
無理だ、と思ったがそんなことを正面きって言えば本当に怒りかねないので俺はぐっと黙り込んだ
「それにしてもいつもの君らしくないんじゃないかい?サターン」
「……黙れ育て屋。そもそも君が弟を甘やかし過ぎることにも原因があるのだぞ」
「おっ、俺のせい?」
奴の鼻の頭に絆創膏を貼りながら兄貴がえーと口を尖らせる
…髪型のせいで奴がこの街のジムリーダーの女みたいになっている。少し笑えた
「悪いことしたらしっかり仕置きして叱っておくべきだろう!」
「そんな…シンジの減らず口は昔からだし」
「慣れるな。諦めるな」
「シンジの減らず口に乗って熱くなる君だって悪いと思うけどなぁ…」
「何か言ったか?」
……何気に仲がいいんだな。話しぶりからして兄貴がこいつに心を許しているのがよくわかる
こんな宇宙人もどきなんぞに
「……兄貴」
「ん?なぁにシンジ?」
「しばらくここでポケモンの調整に入る。兄貴にも手伝ってもらうからな」
「なっ…?!」
「あぁわかったよ。じゃあ明日までにメニュー組んでおくよ」
「あぁ、任せた」
傍らであからさまに嫌そうな顔をしている奴を一瞥すると俺はふっと鼻で奴を笑い飛ばしてやった
生憎俺は大人げない人間だからな。妨害出来る内はとことん手を尽くしてやるさ
簡単に兄貴の隣は奪わせない、そのことをしかと思い知ればいいんだ
つづくの…?
.