Poke-mon

□Little world
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《S》





静まり返った部屋の中に通信機の無機質な呼び出し音が響く

また何かの呼び出しかと思いはっきりしない意識を指先に巡らせてそれを手探りで取った

「…私だ」

不機嫌を隠すこともせずにそう告げると答えたのは焦りと喜びを露にした部下からの思いもよらない知らせだった



「……アカギ様が…ボスが見つかった…?!」



半ば信じられないという気持ちもあったが私は大急ぎで身嗜みを調えて最上階のヘリポートへと向かう

今はほぼ使われていないその場所はいつもよりも突風が吹き荒れ、ヘリが着陸する轟音で耳がキンと痛くなる


だが
必死で開けた薄目に飛び込んできたのは間違いなくギンガ団のロゴが入ったヘリで、そのドアが開き、行方不明だったマーズとジュピターを従えて出て来た姿は


「っ……アカギ様…」

記憶よりも少し老けた感じは否めないが、あの頃の…いやあの頃以上に鋭く冷たく、それでいて燃える意思を湛えた眼差しはまさしく彼のもので

私は目頭が熱くなっていくのを感じた

「御帰還……お待ち申し上げておりました…っ」

「あぁ」

その一言だけで全てが満たされていくのを感じた







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